お笑い芸人・春一番の死期を早めた「乾癬」発症の経緯…『ほぼ日刊 吉田豪』連載152

haruichiban.jpgPhoto by 春一番オフィシャルサイト

  前回の記事について「カレー粉では乾癬にはならない」的な意見が出てきてるので、もうちょっと詳しく書いてみます。テキストは春一番『元気です!!!』(07年/幻冬舎)。

『お笑いウルトラクイズ』の格闘技コーナーでウイリー・ウイリアムスと闘う際、自分からロープに飛んだらガリガリに痩せてたからロープに絡まってひっくり返り、頭から場外のカレーのルウに突入。その直後、金粉ダジャレマラソンという企画で金粉まみれになったら、なぜか体中にブツブツが出るようになった、と。それで病院に行ったら「これは乾癬ですね」と診断されたわけです。なので、本人も「私の場合、カレー粉がきっかけで発症したようだが、カレー粉そのものが原因なわけではない」と発言。その医者に「この免疫抑制剤を飲めばよくなるから飲んでみましょう」「風邪とかをひきやすくなるかもしれないけど」と言われるまま飲み始めたらみるみる乾癬は治っていったんだけど、代わりにみるみる体調が悪くなり、車椅子に乗せられて免疫抑制剤をもらいに行ったら、今度は「あの薬はたしかに腎臓とか肝臓に悪いんだよね。そんなになってまで飲まないでいいよ」と言われた模様。その後、死にかけたってわけです。

そして、いまにして思えば『お笑いウルトラクイズ』は現在のテレビ番組の基準では考えられないぐらい安全基準が緩くて、でもそこが面白さの重要なポイントだったのも事実。07年に11年ぶりに復活した『お笑いウルトラクイズ』について、春さんも「正直、粘着が甘いと思った。薄くてヌルヌルである。昔の粘着液は本当に強力だった。粘着液にくっついたままクレーンで吊り上げられると、皮膚が引っ張られて裂けたほどである」とコメントしてました。自分は粘着液に顔から突っ込んで失明しかけたこともあるぐらいなのに!

【前回記事】
酒だけじゃなかった!春一番の死期を早めた昭和のテレビ演出…『ほぼ日刊 吉田豪』連載151

Written by 吉田豪

完本 1976年のアントニオ猪木

芸人のプライド。

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