北海道地震を「観光地」扱いする愚かな人たち どうして「ピースサイン」ができるのですか?

2018年09月21日 バカッター ピースサイン 北海道地震 被災地

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 未だ被害の跡が生々しい、北海道地震。建物の復旧のみならず、被災者の心のケアも必要である事は容易にわかります。被害に遭った人の気持ちは被害者しかわかりません。僕たちは当事者にはなれないのです。それでも少しでも当事者の気持ちに近づく事が、例えば、スーパーボランティア尾畠さんのような行動につながるのでしょう。

 北海道地震で崩壊した建物を、事件の記録として、「こういう事があった。忘れてはならない」という意味ではなく、ピースサインをして写真撮影した人物が話題となっています。愚かな行為です。信じられないと思う方もいらっしゃるでしょう。

 が、同じような行為は2011年東日本大震災の時にも行われていました。僕は今でも付き合いがある、福島県双葉郡出身の福島第一原発で働く作業員と夜を徹して酒を飲みながら、取材をしました。
 今回の北海道地震での「観光客」がおかしたような事が、東日本大震災の時でも起こっていました。


fukushima.jpg被災者に許可を取って撮影した福島県小高の被災後。ここでピースサインなど考えられない


 被災者は特別な感情を抱きます。
 「俺らの事をネタにしてんべ」
 そう、双葉郡の若者たちは憤っていました。福島第一原発前で、記念撮影をしていた人や、例えば、車のナンバーを「311」にしている人。記念撮影は論外ですが、車のナンバー「311」はもしかしたら、「ネタ」にするのではなく震災を忘れないという意味でつけているのかも知れませんが。

 しかし、被災者の感情はそこまで繊細だという事を、僕は彼らを通じて痛切に感じました。もし北海道地震の被災者の方と少しでも話せば、自分のやっている事の愚かさを感じ取る事が出来るでしょう。今すぐ、記念撮影は止めて頂きたいと思います。(文◎久田将義)

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