【ドキュメンタリー】「児童扶養手当」を貰うために働くことを諦めた母親たち【シングルマザー】

2018年01月11日 シングルマザー 扶養手当 母子家庭

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母子家庭の平均年収は243万円、月収にして約20万円。

この金額で子どもをちゃんと食べさせて、大学に行かせるのは至難の技といえるでしょう。そんなときに頼りになるのが、所得と子どもの人数に応じて支給される「児童扶養手当」通称「母子手当」です。

全部支給で月額42,290円、一部支給で月額42,280〜9980円と、それなりの手当が国から得られます。

ただし、お金をもらうための条件は「国の定めた所得制限にひっかからないこと」。収入が低いほど、支給される手当額は多くなります。これが非常に厄介なのです。


筆者の友人Aさん(35歳)の場合


パート勤務の掛け持ちをして月に約15万円を稼ぐ。そこに母子手当の約4万円をのせて月の総収入は20万円弱。

正社員の仕事や割の良いパートを紹介するがいつも答えは同じ。

「子どもがいるし、遅い時間は...。それに月に20万を超えたら母子手当がもらえないから無理」


ご近所に住むBさん(37歳)の場合


実家がすぐ近くにあるにもかかわらず、安いアパートを借りて娘と2人暮らし。

「私が今働いても、そんなに高い給料はもらえない。ならば母子手当を満額ほしい」

と、所得制限にひっかからない分だけを稼ぎ、細々と暮らしている。


二人とも30代で、求人もあるし、働ける体力・環境もあるのに、母子手当をもらうために仕事をセーブしている。これって、何かおかしいと思いませんか。

母子手当の支給は、子どもが18歳に達した年の3月31日まで。今、30代の彼女らも子どもがその年齢を迎える頃には50歳手前。手当終了後から就職活動をして正社員なんて、まず無理でしょう。60歳まではパートやバイトで食いつないだとしても、その後にもらえる年金はスズメの涙という訳です。貯金や資産がなければ、最後に頼るところは「生活保護」しかありません。

ほんの少し想像すれば分かる将来のシナリオですら、描こうともしない彼女たち。2人に限らず、このような思考停止に陥っているシングルマザーは多く存在します。

「手当がなくなった時どうするの?」

そんな問いにも、

「考えてはいるけど、どうしようもないから......再婚したい」

彼女たちはいわゆる鬼母でもなく、男の稼ぐ金だけを目当てにするような悪い女でもありません。ごくごく普通の、優しいお母さんたちです。「自分で稼ぐ、外で働く」という概念が完全に欠落している点を除けば。

働かずとも月に4万円のお金が支給される母子手当によって、働く意思を削がれてしまったのか...。はたまた、長きに渡って受け注がれてきた「男が働き、女が家庭を守る」という日本の夫婦制度の弊害が、彼女らの深層心理に大きく働いているのか...。


私には忘れられないAさんの言葉があります。


「手当をもらわずに働くことも考えたよ。でも、月に25万円くらいもらえる仕事をしないと社会保険の関係で損をする。だから、今のままでないと困るの」


なんとなく、将来の不安を感じつつも目先の損得で稼ぐことを辞めてしまう女性たち。保育所や学童の充実など、整えるべき環境は山ほどありますが、母子手当がなければ、がむしゃらに働いて人並みの収入を得ていたかもしれません。

児童扶養手当、通称「母子手当」があることによって助かる家庭がたくさんあることも事実で、社会のセーフティネットとして絶対に必要なものです。その一方で、まだまだ働ける、能力のあるシングルマザーの自立を妨げているのも現実なのです。

母子手当、もらうのをやめませんか?


取材・文◎東山みなみ

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