子宮頸がんの元となるHPVや性感染症を食い止めてきた「風俗村」の努力

2018年03月07日 子宮頸がん 子宮頸がんワクチン 被害 風俗

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 いま、子宮頸がんワクチン予防接種の是非について、ネット上はもちろん、識者・専門家・政治家までを巻き込んで激しいバトルが繰り広げられている。

 極めてざっくりとした言い方で申し訳ないが、ワクチンの安全性については検証もなされ問題ない、とする立場を"タカ派(推進派)"とすれば、現実にワクチン被害を訴える人がいて、その因果関係が詳らかになっていない中での推進は問題であるとするのが"ハト派(慎重派・反対派)"と言えるだろう。

 この構図をバトルの中心人物に当てはめるなら、 "タカ派"に医療ジャーナリストで医師の村中璃子氏や自民党参議院議員の三原じゅん子氏など。一方、 "ハト派"に元長野県知事で作家の田中康夫氏などがいる。

 筆者は子宮頸がんワクチンに対しなんら専門的な検証を試みたワケではないので、議論の是非をここで述べる立場にはない。
 ただ、20年以上、風俗村とともに取材活動をしてきた立場としてみれば、それなりの意見もある。まず、子宮頸がんの元となるHPV(ヒトパピューマウィルス)や他のSTD(性感染症)を如何に水際で阻止するか? ということについては、まっとうな「村」の住人なら女性本位で努力をしてきたことは知っている。
 彼らがウィルスついて専門的な知識、あるいは意識を持っていたかというと正直疑問だが、そのリスクがシノギにとってもっとも大切な玉(女性)を守ることになるということは、体感として知っていた。しかし、ここ最近、その大事な感覚が鈍化してきているのも事実なのだ。

 話は少し変わるが、先日、筆者が新宿で飲んでいると、友人でありネタ元でもある元風俗嬢が筆者を認めるなり、人目もはばからず泣き出した。
「私、子宮頸がんになっちゃった! 医者は子宮を取ったほうがいいって......」
 彼女はまだ30代前半であり、子どもを産みたいという気持ちを日ごろから強く持っていた。それだけに、医師からの勧告がショックだったことは想像に難くない。

 その後彼女は、一時の動揺こそ収まったが、最終的な判断は留保している。その代わり、といっては変だが、彼女は熱烈な子宮頸がんワクチンの信奉者となった。筆者が(ワクチンには)賛否あるよと話しても、「絶対にしたほうがいい! もし、機会があればマスコミに顔出しで話してもいい」とまで言うようになったのだ。そこに至るまで、医師や関係者とどのような話があったのかはわからないが、それが彼女なりの結論であることに違いはない。

 ちなみに彼女が現役時代従事していたのは、いわゆるデリバリー型の風俗である。実はこのデリバリー型風俗の隆盛こそが、曲がりなりにも女性がHPVや他のSTDに罹患しないよう努力してきた村の風習を壊すのでは? と、筆者は危惧しているのだ。

 というのも、いまやデリバリー型風俗の花形の座を狙う「援デリ」などでは管理者(業者)が女性のコンドーム着用にまで厳しく留意する可能性が低くなるからである。もっとも、タテマエ上は援助交際であり、本人の自己責任という理屈も出てくるだろう。

 生をウリにしている一部高級ソープなどは、客も女性もリスクを承知の上での合意事項であり、それはそれでありだと思う。
 しかし、管理者の目が届かない場所だからという理由で自己責任を強いられたら、風俗に従事する女性のリスクは果てしなく大きくなる。その最大の原因がお上による歌舞伎町浄化などによる、店舗型風俗の駆除であることは、筆者から見れば皮肉でもあり象徴的な出来事にも感じる。(取材・文◎鈴木光司)

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