障害者風俗嬢「豹ちゃん」から20年 風俗業界だからこそ出来ること

2018年03月21日 パラリンピック 豹ちゃん 障害者 風俗嬢

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 3月18日、平昌パラリンピックが閉幕した。日本は前回のソチを超える10個のメダル(うち金3個)を獲得するなど、平昌オリンピックと並んでの活躍を見せた。
 個人的には、成田三兄弟の末っ子・緑夢(スノーボードバンクドスラローム)の金メダルが特に感慨深い。良し悪しは別として、兄の童夢や姉のメロがなにかと騒々しい人生を歩んできたのに対し、選手生命はおろか人生さえ左右しかねない大ケガから一転掴んだ金メダル。尋常ではない努力があったのだろうが、まさに人生の不思議としか言いようがない壮挙である。

 さて、ややシニカルな言い方をすれば4年に一度、"障害者"に大スポットがあたるパラリンピックは終わったが、当然のことながら彼らの日常は続いている。そして、風俗村にも少ない数であるが、障害者風俗嬢は存在しているのだ。なかでも著名だったのが、聴覚障碍者でASLスピーカー(アメリカ手話)としても活躍する武田麻弓氏であろう。

 現在彼女はニューヨーク在住でアメリカに帰化もしているが、20年ほど前は「聾唖の風俗嬢」として風俗マスコミだけではなく、一般のマスコミでも広く取り上げられていた。
 当時の源氏名を「豹ちゃん」といい、風俗誌主催のミスコンなどでも特に目立った存在ではあった。彼女の波乱万丈の人生は、自著(『ファイト!』幻冬舎文庫)に詳しいので本稿ではあえて取り上げないが、彼女の存在が障害者風俗嬢にスポットを当てたことは間違いない。

 もっとも、障害者が風俗業界で仕事をしていくにあたって、聴覚障害は比較的ハードルが低いのも事実だ(障害のハードルが低いのではない。為念)。これは単純に物理的問題であって、風俗に於けるサービスが極めてプリミティブかつ肉体的なものであることに起因している。一方で他の障害が、そのプリミティブさゆえに、ハードルが高くなっているか? と言うと、そんな単純な話でもないのだ。

 筆者はかつて歌舞伎町のヘルスで、片足に強い障害(代用の言葉がないので、このように表記する)を持つ女性を取材したことがある。当時、そもそもの取材内容が障害についての話ではなかったので、特にそこについての話はしなかった。しかしそれでも、彼女の話しぶりからは風俗という肉体作業においても、出来得るサービスは確実にこなすという、確かな意思を感じられた。当然のことではあろう。

 あえて不穏な言い方をするなら、健やかなる者も健やかならざる者も、生きていくためには糧を得なければならない。その選択肢のひとつに風俗村が存在するのだ。
 しかし、だからと言って"すべて"の障害者がプリミティブな風俗産業に従事できるか......となると、また話は別になってくる。例えば四肢障害の場合、補助具なしのハダカの仕事をどうこなすかという、現実的な問題も出てくるだろう。また、フェティシズムも絡んでくるかもしれない。

 一方、スポーツにスペシャルオリンピックスがあるように、知的障害者の風俗雇用は......という話も出てくるかもしれないが、これには異議を唱えたい。
 なぜなら、一部悪質なAVで見られるような"搾取"や"虐待"が起こる可能性が極めて高いからだ。

 いずれにしても、一般社会に比べれば理不尽な差別に絡めとられることの少ない風俗村だからこそ、できることはあると思いたい。(取材・文◎鈴木光司)

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