metoo案件か 元関東連合・元AV監督松嶋クロスこと松嶋重被告第二回公判「主犯は誰か」

2018年04月19日 AV監督 松嶋クロス 裁判傍聴 関東連合

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 AV男優から恐喝しようとしたとして関東連合OBらが逮捕された事件の第二回公判が、4月18日に東京地裁で開かれました。

 ただし、前回の記事(※1)でお伝えした通り、元関東連合OB・松嶋重被告と、元AV監督・松本和彦被告の公判は分離されることとなり、今回は松本被告に対する論告・求刑が行われました。

※1 『AV強要で揺れる業界 元関東連合・松嶋被告らの初公判で浮き彫りになった実態』
http://tablo.jp/case/news003061.html

 今回も前回と同じく429号法廷で、ここは通称「警備法廷」と呼ばれており、特に厄介な裁判の時に使用されることで有名です。理由は様々ですが、テロリストなどの活動家や、被告の支援者または被告に恨みを持つ傍聴人の暴走などが予測される場合などに使われるとされています。

 警備法廷と呼ばれるだけあり、係員の人数が多く、空港並みの金属探知機を使った身体検査が行われ、入廷の際には最低限の筆記用具以外は持ち込めません。

 しかし、今回の傍聴人は前回と比べると20人弱と人数が少なく、また一目でアウトローとわかる人間もおらず、むしろ明らかに刑事と思われる傍聴人が紛れ込んでいたのが特徴的でした。警察からすると、まだ何か情報が欲しいものと推測されます。


9:55 傍聴人らが身体検査を終え廊下で待っていると、松本被告が普通に通路を歩いて到着。保釈が通ったため、手錠などの拘束はありません。

10:00 開廷。松本被告は紺色のスーツ姿。

 準備が終わると、検察官からの質問が20分、弁護人の質問が数分、裁判官からの質問が10分程度といった時間割で進行します。
 新しい情報などは特になく、論告・求刑前の最後の確認といった内容でした。念のためどのような話がされたのか列挙します。
 また、業界外の方にも話をわかりやすくするため、発言内容を要約してあることを予めお断りしておきます。

[検察官の質問]
※「」内は松本被告の発言

●AV業界のルールについて再確認

――AV男優が無断でAV女優と交際した場合、業界的にペナルティが発生すると言うが、ペナルティにはどのような種類があるのか

「まず金銭的な解決をする場合、あとは話し合いで解決するだけのケースもある。他には問題を起こした人間に一定期間仕事を回さないといったペナルティもある」

――そのペナルティの内容については松嶋被告も知っているのか

「当然知っている」

――被害者との話し合いが持たれた浅草ロック座での状況について

「ロック座の3階で被害者と話し合いをしたのは事実だが、後に裁判所から接近禁止命令があったこともあり、私の中で忘れなければいけない事案だという思いが強かった。そのため、2年以上も前の話ということもあり、覚えていないことも多い」

――ロック座の3階には応接室と食堂があるそうだが、なぜより相応しい応接室ではなく、食堂で話をしたのか

「当時の私はヘビースモーカーで、タバコを吸える場所が食堂しかなかったため。松嶋被告も食堂と応接室を行ったり来たりしてはいたが、それも応接室ではタバコが吸えないため、食堂に出て来ていたのだと記憶している」

[裁判官からの質問]

――松本・松嶋被告それぞれの浅草ロック座との関係、被害者との話し合いの際に両被告がロック座にいた理由について

「当時は私も松嶋も、ロック座に踊り子を紹介する仕事をしていた。そのため、たまたまロック座に居合わせた」

――被害者から金を取ったあとで、松嶋被告に話をしに行けと言ったそうだが、なぜ松嶋被告に報告をする必要があったのか

「初公判の時にも言ったように、被害者が暴力団に関係する人間の名前を持ち出した。それに対して松嶋被告が過去に見た事がないほど激怒したため、話は終わったから無かったことにしてくれと伝える必要があった。私が被害者と一緒に松嶋の元へ行き、それでこの一件をすべて終わらせるつもりだった」

――被害者から金を受け取ったあとで、それをどうするつもりだったのか

「金銭のペナルティが発生した場合は、まず被害に遭った女性と、その女性が所属するプロダクションに全額渡す。仮に受け取りを拒否された場合は、事の顛末だけ伝え、金はすべて加害者に返す」

――それでは松本被告らにメリットがないのでは

「その場で金にならなくても、トラブルを解決したことで業界内のポジションが守れる。また次に自分が作品を撮影する際にプロダクションが安く女優を回してくれたり、人気のある女優を優先して使わせてくれたりと、様々な形で見返りがあるので、目先の現金欲しさでやる訳ではない」

――判決が出たあとどうするのかについて

「初公判でも言ったが、AV業界にはすでに関わりがないので、今後も接点を持たない。またストリップについても、社会に対して、また経営している横浜ロック座に対して多大な迷惑を掛けてしまったので、すでに代表退任の届け出をしている。」

[論告・求刑]
ルール違反をしたAV男優から金銭を脅し取ろうとした際に、関東連合OBとして恐れられている松嶋被告の存在を使い、被害者に多大な恐怖を与えた。また松本被告が本件を主導しており、極めて凶悪だと言え、規範意識が疑わしい。再犯の可能性が高いと思われるため、懲役3年が相当である。

[弁護人]
被害者と被告はすでに和解済みで、被告は接近禁止命令を守っていた。執行猶予を考えても3年は長すぎる。

[松本被告]
深く反省している。他にはありません。


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 この事件の争点ないし検察の思惑は、関東連合OB・松嶋被告と、松本被告の共謀の点だったと思われます。本命は暴力団として裁かれる松嶋被告であり、それに追加材料を乗せるための松本被告であり、今回の事件という位置付けではないかと推測されます。

 ところが、公判の内容から判断する限り、この件については主導したのは明らかに松本被告であり、松嶋被告にどこまで余波が及ぶか微妙なところ。暴力団絡みの事案ということで、求刑は3年と予想以上に重いものでしたが、松本被告は職を失うなど社会的な制裁を受けており、これがそのまま通るかどうかは裁判官の判断次第です。

 これは公判の内容とは別の独自取材による情報ですが、この一連の事件は組対(組織犯罪対策部)の中に特別チームが作られ、そこが威信をかけて臨んでいたそうです。よって、起訴できなかった、公判が維持できなかったで終わらせては面子が丸つぶれになるため、意地になっている部分があると言わざるを得ません。

 また、AV業界を舞台にしてはいますが、警察の本命は暴力団及び準暴力団の取り締まりで、松嶋被告はAVとは関係のない案件でも取り調べを受けていると聞き及びます。

 ですからこれを、AV業界だからやられたと考えるのは早計で、他の暴力団や準暴力団が深く関与している業界は、いつ同じ目にあってもおかしくないということなのです。不良絡みの話で言うならば、同じスカウトがAV・芸能・風俗と、各業界に「女を卸している」という事実があります。

 これまでは不良ならではのネットワークやレスポンスの速さから、様々な業界が彼らを便利がって使っていたという側面がありますが、警察の方針がわかった今となっては、今後は彼らと組むリスクの方が遥かに大きくなったのだと言うよりないでしょう。そうした業界が少しでも健全化され、いらぬ被害に遭う人間が減ることを願います。

 なお、松本被告の公判は、次回(5月中旬)に判決が下される見込みです。(文◎編集部)

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