「AV男優恐喝事件」 元関東連合幹部の判決は持ち越し 元AV監督は結審

2018年05月15日 AV男優恐喝事件 松嶋クロス 裁判 裁判傍聴 関東連合

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 過去2回報じている、元AV監督・松本和彦被告と、関東連合OB・松嶋クロスこと松嶋重被告が起こした恐喝未遂事件について、松本被告に対して懲役2年、執行猶予3年の判決が下りました。(松嶋被告の審理は継続中)


http://tablo.jp/case/news003061.html
http://tablo.jp/case/news003164.html


 この事件は登場人物が多く、事情が複雑であるため、再度事件の経緯を説明しておきます。

・松本和彦(以下松本被告)
・松嶋重(以下松嶋被告)
・AV男優A(以下A)
・AV女優B(以下B)
・AV男優C(以下C)
・AV男優D(以下D)


<事件の経緯>
2015年頃、AがBとプライベートで男女の仲になる。しかし長続きしなかったようで、BがTwitterなどでAを実名で批判するようになる。

Aの先輩であるCが加わり、Aを庇い立てる。すると、BはCに対しても実名で批判。堕胎までさせられたと思わせる発言を残し、AV女優を引退する。

松本被告と松嶋被告が「AV業界のルールを破った」として騒動に介入。AとCから金を取るため、Cと仲の良いAV男優Dを呼び出し、2人から金を集めて来るように指示。

Dは松本・松嶋両被告と、AV男優Cとの間で板挟みになり、警察に被害届を提出する。これに対して裁判所から接近禁止命令が下る。

ここで一度解決していたものの、2017年になって再び警察の捜査が始まり、松本・松嶋両被告が逮捕された。

5月14日13:30 東京地裁 429号法廷
松本被告は青のスーツ姿で入廷。
本人確認の後、判決が申し渡された。

<主文>
被告人を懲役2年に処する。
この裁判確定の日から3年間、刑の執行を猶予する。


chisai.jpg



 前回、前々回の記事で、本件に対し「本命は準暴力団である関東連合ではないか」との推測をしましたが、それが当たっていたと思える場面がありました。

 通常は主文の後に判決の理由が述べられるのですが、今回は何故か「罪となるべき事実」として、過去の審理に用いられた被害者の調書を、裁判官が長々と読み上げたのです。その内容は以下のようなものでした。


「〇月×日、松本被告は、松嶋重被告と共に、Dに対して、AとCから金を集めろと命令した」
「×月〇日どこそこに呼び出し、松本被告はこう言い、松嶋被告はこう言った」
「さらに△月×日には~~」


 このように、公判が分離された松嶋被告の名前がことさら強調されており、これは裁判所がこの事件を、松本・松嶋両被告が共謀したものであると看做しているというメッセージのように受け取れました。

 松嶋被告の審理は続いているため、松本被告の裁判の結果が、そちらにも影響を及ぼす可能性が考えられます。やはり本命は松嶋被告であり、さらに言えば「関東連合により大きな罰を課すための裁判だった」と見て間違いはなさそうです。

 さて、被害者調書が読み上げられると、裁判官はこう続けました。


「以上のように松本被告は松嶋被告と共謀し、恐喝未遂事件を起こした。一連の被害者への脅しを事実と認めた」

<判決理由>
被告人はAV業界での強い立場を悪用し、事件を主導した。
これによって被害者が受けた恐怖は大きい。
よって恐喝の未遂ではあるが、重い判決を下した。

しかし、家族が更生させる事を約束し、また本人も二度とAV業界とは関わらないと誓っており、更生の意思が見られるため、刑の執行を3年間猶予する。


 控訴の姿勢は見られなかったため、おそらくこれで判決は確定するものと思われます。

 松嶋被告に対する判決が下るのはまだ先になりそうですが、この裁判はAV業界にとって非常に重い意味を持っています。

 というのも、以前の記事で触れたように、AV業界は他では考えられないほど常にトラブルが起きているような業界ですが、SEXを売り物にしているだけに、根本的な部分で法律に守って貰えているとは言い難い状況にあります。

 そのような事情から、これまでは何かあるたびに松本・松嶋両被告のようなコワモテがアウトローの手法を振りかざして問題を解決していましたが、今回の裁判によってその手段は事実上使えなくなりました。よって、今後は業界内で何か問題が起きた場合は、嫌でも法だけに頼るしかありません。

 強要問題が取り沙汰されて以降、AV業界内にはAVANやプロダクション協会のような業界団体が生まれました。これからはそうした団体が、アウトローの手を借りずとも済むように、被害者救済のための窓口として機能せねばならないのです。

(1)立場の弱い末端のスタッフや、AV女優のように食い物にされやすい人間に対し、何か被害に遭った場合にどこを頼ればいいのか周知を徹底する。
(2)業界団体がソーシャルワーカー的な窓口となり、当事者達の間に入って事態を解決する。もしくは必要であれば弁護士を立ててやり、司法の判断を仰ぐ。

 最低でも、この2つは業界の備えとして用意せねばなりません。むしろ、今の今までこれが無かった事の方が異常ではないでしょうか。

 このように、松本・松嶋被告の公判は、AV業界的には最大の恥部とも言えるものですが、業界をよりクリーンに、今の時代に合ったものに改善するための、産みの苦しみであるとも言えます。

 こうした都合の悪い事実に目を背けてしらばっくれるのではなく、これを乗り越え、より良い業界を作っていただきたいと切に願います。

 最後に、松本・松嶋両被告の裁判に対し、AV女優らが「和解を求める嘆願書」に著名を求める活動をしていた事を付け加えておきます。繰り返しになりますが、業界が脱アウトローを目指すならば、彼女らがアウトロー以上に頼れる先を作る事が急務なのです。(文◎編集部)

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