【北関東の魔境】トラック野郎、デコトラ文化の聖地「歌麿」探訪記

2014年03月14日 デコトラ トラック野郎 群馬 魔境

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 熊谷と前橋をつなぐ大規模バイパス、国道17号線。その伊勢崎IC付近を走っていた時、なんとも主張の激しい看板を発見してしまった。

「トラックアート歌麿」

 書きなぐりのようなパワフル過ぎるフォント。駐車場に何台も並ぶデコレーション・トラック(デコトラ)の数々。トラック用品店のようだが、この強烈なオーラは一体......。

 ふと気付くと、まるで建物に吸い寄せられるようにハンドルを切り返していたのだった。

 おずおずと「トラックアート歌麿」に入店。中では予想通り、トラックパーツの数々が販売されているのだが、その煌くような派手さは尋常ではない。シフトレバーに取り付けるキラキラパーツや、「不正改造車愛護月間」「死喰魔」(この名前、往年の方々には感涙ものだろう)などパンチの効いたステッカーがずらり並んでいる。

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 二階は展示スペースとなっていて、やはりというか映画『トラック野郎』シリーズへの愛が溢れまくり。若かりし菅原文太がメンチきっているポスター、作中に登場する一番星号のチョロQ(非売品)といったグッズがガラスケースに陳列。そこに混じってなぜか、もんもん柄のキューピーちゃんまで!

 さらにこの店、『トラック野郎』で愛川欣也が乗る「やもめのジョナサン号」のレプリカまで製作。レプリカといえど、きちんとナンバーもとった本物のトラックなのだから凄すぎる。毎週日曜の晴れた時間以外はガレージの奥にしまわれているため、この時はケツしか拝見できなかったのが残念だったが......。

 そもそも「トラックアート歌麿」は、『トラック野郎』にデコトラの車両提供をしていたアートトラック連盟「哥麿会」の流れを汲むもののようだ。しかしこの哥麿会、歴史も古く、トラッカー達の最大手グループでもあるのだが、なんとウィキペディアすら作成されていない。インターネット世代・オタクカルチャー世代の僕には、全くもって未知の世界なのである。未体験のデコトラ・シーンを存分に味わった僕は、この時点でお腹いっぱい。

 頭をクラクラさせながら出口へと向かってしまった。やはりオタク文化とデコトラ文化は相容れないものなのか......。そう思いつつ、出口脇のレジに目をやった途端。僕の浅はかな感慨を吹き飛ばすような衝撃が待っていた。

 レジ棚に雑誌『カミオン』が平積みされていたのを発見したのだ。

『カミオン』とは、芸文社から発行されているトラッカーのための月刊誌である。正直なところ「この雑誌、まだあったんだ」と思い手にとってみたのだが、今月号についていた付録を見るや、さらなる衝撃が走った。

「爆走!! アート・トラック すごいぞ! 丸ごと1冊アート・トラックだ!!」

 ミニサイズの判型はもとより、キッチュ&ポップな装丁、子ども向けと言えるほど直接的なコピー......これ、明らかに「ケイブンシャ・ミニ百科シリーズ」を意識した小冊子だよ!

 それは中身を読んでみても明らかだ。

『トラック野郎』シリーズ全10作に出てきた一番星号や、全国アート・トラック集団を紹介するといったデータブックぶり。

 そしてトラック解剖図、バカバカしくもある特技の図解などを、(いい意味で)安っぽいデザインと紙質にて展開している。

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 まさしく、昔懐かしいミニ百科本そのものである。

 もしや『カミオン』発行元である「芸文社」と「ケイブンシャ(勁文社)」の語呂が似ている、という単純な理由で出てきたアイデアかもしれないが、それはともかく。

 アート・トラックの特集冊子にも関わらず、オタクカルチャーの素地を作ったケイブンシャ・ミニ百科シリーズへとオマージュを捧げているという点が興味深い。決して交わらないと思われた両者が、老舗デコトラ雑誌の付録にて繋がったのである。

 もしや2014年こそ、デコトラ文化とオタク文化が融合する元年なのかもしれない! そんな期待を持たせてくれた『カミオン』最新号なのであった。

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Written Photo by 吉田悠軌

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