1日300人が押し寄せる、がん治療に効果のあるハーブ薬 作っている僧侶いわく「取り上げてほしくない」

2018年05月09日 がん治療 ハーブ薬 僧侶 大腸がん

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 タイのマンゴスチン石鹸が美白効果があるということで、15年近く前にブームになったのを覚えているでしょうか?

 火付け役となったマンゴスチン石鹸のブランド「アパイプーベート」(日本ではアパイプーベの名で知られています)は、タイ古来の民間伝承薬研究を元にハーブを原料に用いた医薬品やサプリ、美容化粧品などを製品化して販売していることで有名なチャオプラヤー・アパイプーベート病院のブランドです。

 この病院があるタイ中部プラチンブリー県には、どうやらハーブを用いた治療薬を作る知識を有する住民がある程度いるようで、昨年末には、がんの治療に効果があるとされるハーブ薬を製造し配布している「セーン先生」のもとに今まで70,000人ものがん患者が薬を貰いに訪れていることがニュースとなりました。

 今回はまた別の人物が、がん治療に効果がるとされるハーブ薬を配布していると新聞Khaosodで記事になっています。この人物はソムチャン僧侶(76)。プラチンブリー県プラチャンタカーム郡の寺院ワット・コークサワーンの住職です。

 ソムチャン僧侶の僧坊にはタイ各地から毎日300人ほどが薬を手に入れるために訪れています。僧侶は、がん患者の治療を30年以上続けてきたものの、原料のハーブを探すのが困難なためニュースに取り上げてほしくないと語りました。

 その原料には伝統処方にのっとり、密花豆、リナカンツスナスツス、赤いバウヒニア、マカ、インドハリザクロが用いられています。それら原料を34cmの鍋で煮て硫黄を入れるとのこと。

 1回の鍋は煮出しながら5日間飲みます。がん患者には水代わりに煮出して飲むように指示。がんが治ったら鍋を7日かけて飲むようにします。

 治療中は現代医療での治療も並行して受けてもらうようにしているそうです。禁止事項はアルコールを飲むことと牛肉、水牛の肉、シーフードを食べること。淡水生物の肉を食べるように指示しています。

 新聞記者の知人は腸がんで医師から余命宣告まで受けていたものの、この僧侶のがん治療薬を飲んで完治したそうです。完治後も薬を飲み続け、かれこれ9年間服用しているとのこと。

 がんが治癒した例をもっと多く見ないことには俄かに信じがたい話ではあります。
 また最近は無許可製造の美容クリーム使用で肌のトラブル被害が頻発し、警察が業者や市場を摘発する事件が毎日のように新聞紙面を賑わせています。その一方でこの手の伝統ハーブ薬には当局の対応がユルい点も興味深いですね。
 それだけタイの社会全体で伝統ハーブ薬への信頼度が高いことの表れなのかもしれません。(取材・文◎赤熊賢)

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