乃木坂46の未来を背負う三期生・山下美月×与田祐希インタビュー

坂道グループの次世代を担うメンバーを編集部の独断でピックアップ。今回は今やアイドルの頂点に立ったと言って良いでしょう、乃木坂46から三期生の山下美月さん、与田祐希さんに来て頂きました。(編集部)

001yamasita.jpg「私は普通の女子高生だし、周りからのサポートがないと乃木坂46の山下美月ですっていう言葉は絶対に言えないんです」(山下美月 1999年7月26日生まれ・O型)

001yoda.jpg「センターを経験してからは楽しくというか、どうしたらもっとよく見えるかとか考えられるくらい、少し緊張に負けることがなくなりました」(与田祐希 2000年5月5日生まれ・O型)

――乃木坂の次世代を担うお二方ということで来ていただきました。まず与田さん、今年に入って一番変化があったのはドラマの『モブサイコ100』(テレビ東京系列)じゃないかなと思うんですけど、お芝居はどうですか?

与田祐希(以下・与田):初めて乃木坂のメンバーがいない現場にひとりで行かせてもらうということで、やっぱり乃木坂っていう名前を背負うことになるし、ここで頑張らないとなっていう緊張感とかプレッシャーも持ちつつ現場入りしたんですけど、やっぱりプロの俳優さん方と一緒にお仕事すると刺激も大きいし、緊張もするし。
けっこうドキドキというかいっぱいいっぱいの感じでのスタートだったんですけど、やっていくうちに楽しいなって思うことが増えて、終わる頃には演技のお仕事またできたらいいなとか、もっと勉強してうまくなりたいとか、そういう気持ちになりました。

――ちょっとマイナスだったのが、やっていくうちに楽しさが芽生えてきて。

与田:そうですね。

――山下さんはそのドラマ観られました?

山下美月(以下・山下):よく観てます。

――ご感想はどうですか?

山下:『モブサイコ』っていうドラマ自体、すごく異次元というか、非日常的なお話じゃないですか。与田は普段けっこうフワフワして天然なところがあるので、ツボミちゃんの役にぴったりで、与田のかわいらしさも存分に出てるし、セリフもしっかり自分のものとして言えてて、アイドルっていうより女優さんを見てるみたいな感じで、「与田すごい!」っていつもテレビ観ながら思ってました。

――なるほどです! ところで三期生のみなさんは入って1年ぐらいですかね。

与田:1年半ぐらいですね。

――歌だけじゃなくてドラマ出演は早い方ですよね。

山下:「お見立て会」があったのが一昨年の12月なので、だいたいお見立てされてから1年ちょっとぐらいなんですけど、初めて先輩方と一緒にステージに立ったのも去年の今日(2月22日)さいたまスーパーアリーナが初めてだったので、そこから単独ライブもやらせていただいたし、神宮にもトップバッターとして立たせていただいたり、舞台もあって。
それから個人活動、写真集とか、久保史緒里ちゃんが『セブンティーン』のモデルになったり、いろんな幅が広がっていって、1年でこんなに経験していいの? っていうぐらいたくさんの初めての経験をさせていただきました。
それは乃木坂っていうグループが大きく、先輩方が作ってきてくださったから、その三期生としてたくさん活動させていただいています。先輩方のおかげでこんな私たちが1年間、成長する場所をいただけたんだなって思います。

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――乃木坂のファーストシングルが発売されて今日で丸6年なんですよね。ここ2~3年の乃木坂の勢いはすごいですよね。レコード大賞も獲得です。その環境の変化とか感じるところはありますか?

与田:すごい変わっていってるなと思います。乃木坂に入る前は普通の女子高生で田舎に住んでて、三期生になってから徐々にいろんな経験をさせてもらって。私にとっての転機というか、ガラッと変わったのは18枚目のシングル『逃げ水』でWセンターになった時です。

――センター抜擢ってやっぱり緊張するもんですか?

与田:そうですね(笑)。

――どんな感じなんですか?

与田:『乃木坂工事中』で選抜発表されて名前が呼ばれたときは、正直無理だと思ってしまった自分がいて、不安でいっぱいで頭が真っ白で涙が止まらないっていう状況だったんですけど。活動させていただいてるうちに先輩方も三期のメンバーもスタッフさんもいろんな人が助けてくれて。終わる頃にはホントにこの経験をさせてもらって幸せだったなって思って、それで自分の中で大きく変われたこともあったし。

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――お隣に座っていらっしゃる山下さんのフォローもあったんですか?

与田:温かい空気で接してくれたから。

――山下さんから見て、与田さんが緊張してるなぁと感じました?

山下:与田と大園桃子がWセンターで、ふたりは三期生のなかでもダンスとか苦手って言ってるメンバーなんですけど、テレビとかですごく堂々と歌ってるのを見てカッコいいって思いました。こんなに堂々とできるんだって思って。

――肝が据わってるんですね。出身地の九州魂ですかね。

与田:もともと心臓が弱いタイプなんですけど(笑)。生放送とかいろいろセンターで出させてもらったり、そういう経験があったから。ライブではいままで緊張しすぎて決められたことをやるので精一杯だったんですけど、センターを経験してからは楽しくというか、どうしたらもっとよく見えるかとか考えられるくらい、少し緊張に負けることがなくなりました。

――プレッシャーとのつき合い方を覚えられたのかもしれませんね。……話は変わりますけど山下さんは目力強いですね。

山下:えーっ!?

――ファンの方からよくそう言われると聞いています!(笑)。

山下:申し訳ないです(笑)。よく睨んでるって言われます。

――そういう意味じゃないですよ! 去年、三期生だけで舞台をやられましたけど、同期だけでやる舞台を経験して何か変わったなっていうところはありますか?

山下:みんな必死で。一番必死というか、いっぱいいっぱいというか、ずっと危機感があったというか。
稽古が1ヶ月間あったんですよ。10月から舞台だったので9月はずっと稽古をしてて。私たちは舞台女優としては全員ほぼ素人なわけで、誰も正解がわからない状態で。どれくらい突き詰めていけばいいのかとか、どうやって稽古を進めていったらいいのかとか、何をモチベーションに頑張れば本番までみんなが頑張っていけるのかっていうのが誰ひとりわからない状態だったので。
だからずっと迷って、このままじゃ危ないっていうプレッシャーにずっと追われてた気がして。

与田:私は写真集の撮影と被っちゃって、途中から稽古に参加っていうすごい苦しい状況で。初稽古に行ったらみんなセリフも覚えて移動とかもだいたい覚えてて、ほとんどの人は台本持ってないし。私は動きもなんにもわからないですし、ホントにどうしようって思って。でも人一倍以上にもっともっと努力しないといけないなって腹括って。

――では、みなさんで模索して一生懸命作り上げた感じなんでしょうね。

山下:ひとりひとりが自分の役との闘いみたいな。全員でっていうよりは、ひとりひとりが自分の役と向き合って悩んで、最後に本番でステージに集まって全員のパワーで頑張ろう、みたいな。
ライブの稽古のときは全員が固まってっていう感じだったけど。

――ライブのときは振付けとかちゃんと合わせないといけないですけど、お芝居はひとりひとり自分の世界を完結してそれを発表しなきゃいけませんからね。

山下:舞台だからそれぞれの役があって、しかも『見殺し姫』っていう舞台だったんですけど、当て書きをしてくださったんですよ。だからひとりひとりのキャラに合った役をやるっていうことで、自分の役ができるのは自分しかいないわけですし、そこをどんどん上げていくのも自分の頑張りでしかどうにもならないっていうことで、どれだけ他のメンバーが悩んだり落ち込んだりしてても声のかけようがないっていうか。
いままでのライブのときだったら、「ダンスはこうだよ」とか、「ここに行けばいいんだよ」とか、みんなで言い合いながら協力できたんですけど、この舞台は自分自身との闘いでしかなくて。いままでずっとグループでやってきたのでこういう経験は初めてだったので。そのおかげでだんだん個人活動が増えてきたいま、ひとりでもちゃんと行動できる力がついたと思います。

与田:頼るところももちろんあるし、お互い三期生で団結して支え合って頑張ろうっていう気持ちもありつつ、ひとりひとりも頑張らないと、頼ってばっかりじゃダメだなっていう意識もできて。

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――山下さんは長文のブログを書かれてて。ものすごい時間かかるんじゃないかなと思うんですけど。

山下:すごい書いてます。12人いるので、12日に1回しか上げられないから、1週間以上開いちゃうんですよ。
でもアイドルって特殊な職業なのでいろんなことが起きるんですよ。私は自分の感情を文字にして伝えるのがあんまり得意じゃないので、出来事を自分なりの言葉で伝えることでブログを作っていこうっていう考えになっていって。
だから12日間毎日、何か起きたら必ず自分のネタ帳に全部書いていって、毎晩その日に起きたことをブログに使えるなと思ったら書き直してっていうのを繰り返していって、前日につなぎ合わせるみたいな感じになってて。大変なんですけど、「ブログを読んで、並ぼうと思いました!」って握手会で言ってくださるファンの方もいるので。
でもブログがああいう感じだから、初対面の方が「あれ? 意外と普通の子?」みたいに言われるんですけど、だんだん仲良くなっていけば「いろんな部分」が見えてくると思います(笑)。

――与田さん、「いろんな部分」ってどんな部分か教えて頂けますか(笑)?

与田:最初は怖いじゃん。

山下:うん、怖い(笑)。

――目力が(笑)。

与田:初めて会ったとき、話しかけられなかったです。目力が強いし(笑)、私が年下っていうのもあるし。(向井)葉月とか話しかけやすいオーラすごいじゃないですか。でも美月って話しかけていいのかな、みたいな(笑)。あんまり自分からも話してるところを見なかったし。でも話してみるとすごい面白いです。頭が回るから発言がいちいち面白いんです。

――それにしても、文章をあれだけ長く書ける方はすごいと思いますよ。

山下:昔からずっとこの「雰囲気が悪い」のがコンプレックスだったんですね。

与田:ギャップだよギャップ!(笑)

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山下:ホントに小さいときからずっと「怖い」とか「性格悪そう」みたいに思われることが多くて。いまでこそこういうアイドルっていう職業をやってるから割りと気持ちが強くなったけど、小学生の時とかそれなりに落ち込むことが何回もあって。
ひとりっ子で友達の作り方もうまくなかったし、あんまり外に出なかったっていうのもあって。だからどうにかして怖いっていう印象を薄くしたいなっていうのを考えてて。もっと「面白い」とか「優しそう」って言われることが夢だったので(笑)。

――今はそれが良い方向に行ってすると思いますよ。

山下:でもまだ初対面の方には「間」を置かれるというか。ホントは私は楽しんでいきたいんだっていうのを伝えるために。

――今、この場では伝わってますよ! 最後にお二人にとってアイドルってどういうふうに捉えてます?

山下:私がアイドルというよりは、アイドルっていう偶像があるなって自分が乃木坂に入ってから感じて。私自身がアイドルになるというよりは、ファンの人たちの応援だとか、スタッフさんの支えだとか、先輩方からの温かいサポートとか、そういうものがあってアイドルとしての自分が出来上がってると思うので。
私は普通の人間で女子高生だし、周りからの応援だとかサポートがないと「乃木坂46の山下美月です」っていう言葉は絶対に言えないと思うんです。ホント周りの方々の支えがあってできてる活動だなって感じてます。

与田:私はもともとアイドルがすごい好きでグッズとか集めてライブとか行って……っていうことが全然なくて。田舎で山から下りて上ってターザンみたいな生活をしてた女の子なので、そんな人間がいまアイドルになってこうやって活動していくっていうのはホントになんか……まだ不思議な感覚ではあるんですけど。
もともとアイドルが好きでアイドルを目指して入った人もいるし、こういう予想外に入った子もいるし、先輩からの応募で入った子もいるし、いろんな人たちが集まって、アイドルやってなかったら絶対に出会わないような人たちが。
美月が言ったようにいろんな人に支えられて、自分たちも切磋琢磨して。たとえば10人いたら10色で輝いていくっていうのがすごいことだなって思うんです。

――今日は有難うございました。

※お二人とも部屋から退出する時に「掲載、楽しみにしています」と言いながらお辞儀をする気遣いに良い意味で、驚きました。
(インタビュー◎久田将義/写真◎編集部)