売れないローカルアイドルから一歩一歩登りつめ、ついに武道館に立ったアイドル......川村文乃(ハンカチのご用意を)

2018年06月06日 はちきんガールズ アンジュルム ハロプロ 川村文乃

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川村は後列右から2番め
アンジュルム『泣けないぜ...共感詐欺/Uraha=Lover/君だけじゃないさ...friends(2018アコースティックVer.)』


 高知県で活動をしていたローカルアイドルが、上京してメジャーアイドルグループのメンバーとなり、ついには憧れの日本武道館の舞台に立った──そんなマンガさながらのシンデレラ・ストーリーを歩んでいるのが、アンジュルムの川村文乃です。

"かわむー"こと川村文乃は高知県出身の18歳。芸歴はかなり長く、元々は地元を拠点に子役、ジュニアモデルとして活動していました。2009年には「高知県おさかなPR大使」に任命され、『おさかな天国2010』でCDデビューもしています。

 そして2011年、高知県のローカルアイドルグループ「はちきんガールズ」に加入。ここから本格的にアイドルとしての活動が始まります。


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はちきんガールズ『負けないチカラ』川村はセンター


 当初は高知県を拠点に活動していたはちきんガールズですが、高知県を全国にPRするという目的を果たすべく、2014年4月から東京に拠点を移すこととなります。高知さんさんテレビ制作のドキュメンタリー番組『脱藩、巡礼、負けないチカラ ~たとえば あるご当地アイドルのかたち~』では、上京に至るまでのメンバーたちに密着。不安と夢を抱えて東京に出てくる少女たちの姿に、多くのアイドルヲタたちが涙を流しました。

 当時中学3年生になるタイミングだった川村もこのとき、はちきんガールズのメンバーとして上京しました。同番組では、もちろん川村にも密着しています。特に印象的だったのは、東京行きのバスを待つ川村がりんごをムシャムシャかじりながら、娘への仕送りのためにパートを3つ掛け持ちしているという母からの手紙を読んで涙を流すシーン。川村はバスに乗り込む直前、「みんなに恩返しをするために、お金持ちになりたい。いっぱいいろんな仕事ができたら良いなと思いますね」と"メイクマネー"を実現すると、力強く語っています。

ayano1.jpgayano2.jpgアイドルヲタクからも「名作」との声が多い『脱藩、巡礼、負けないチカラ ~たとえば あるご当地アイドルのかたち~』(高知さんさんテレビ)

憧れていたハロー!プロジェクトのメンバーに


 しかし、たくさんのアイドルグループがひしめき合う東京で、はちきんガールズはなかなか思うように結果を出せずにいました。このままではお金持ちになれない──そう考えたかどうかは判りませんが、川村はある大きな決断をします。

 2016年6月、川村ははちきんガールズを卒業します。そして、同年8月にハロプロ研修生に加入するのです。ハロー!プロジェクトは川村にとって、ずっと憧れの存在でした。ハロー!プロジェクトのファンクラブに入って、自分でチケットを取ってコンサートにも通っていました。はちきんガールズとしてメイクマネーするという夢は果たせませんでしたが、今度はハロー!プロジェクトという憧れのアイドル集団の一員となってビッグになるという夢を掴みにきたのです。

 ハロプロ研修生加入から約10カ月後、川村はアンジュルムの正式メンバーとなり、見事メジャーデビューを果たします。このとき、川村は高校3年生の18歳。ハロプロ研修生出身メンバーとしては比較的遅咲きなデビューといえます。

 ここからが川村の本領発揮です。ローカルアイドルとして苦労をしてきた川村は、とにかく努力を惜しまず、自分を知ってもらうため、アンジュルムを知ってもらうためにできることをどんどん実践していきます。

 たとえば、ブログはもちろん毎日更新するし、リリースイベントのスケジュールを1枚の画像にまとめて公開したこともあります。6月3日にはフランスでアンジュルムとしての初海外公演があったのですが、その前後のフランス滞在時も川村だけがちゃんと毎日ブログを更新しています。


ayanoEVENT.jpg川村が作ったとされるスケジュール表。ヲタクたちはこれを元に現場へ駆け付けた


 自由すぎるメンバーだらけのアンジュルムの中では、インフォメーションをしっかり発信する川村は本当に貴重な存在です。いちばん後輩でありながらも間違いなく"頼れる広報担当"となっているわけです。それができるのもやはりローカルアイドルとして様々な経験があったからこそなのでしょう。温室育ちが多いハロプロメンバーたちは、「できることは全部やる」という川村のハングリー精神から学ぶべき点は多いはずです。


「日本武道館に立つ」という叶わないはずの夢


 さて、そんな川村ですが5月28日に初めてアンジュルムのメンバーとして単独日本武道館公演の舞台に立ちました。元々はハロプロのファンとして、日本武道館にライブを観にきていた川村は5月27日のブログで、

☆#528日本武道館 は明日☆川村文乃
https://ameblo.jp/angerme-ss-shin/entry-12379295853.html

学校からはやく帰って
すぐ武道館へ行ってグッズ列に並んでいたのが懐かしいです!!
グッズ並んじゅう間も
わくわくして時間忘れるんですよねっ!

 などとファンだったころの思い出を綴っています。そんな少女が、今度はハロプロメンバーとして日本武道館でライブをするのですから、こんなに感動的なことはありません!

 そして、日本武道館ライブ後のブログでは、こんな感想を綴っています。

☆#528日本武道館☆川村文乃
https://ameblo.jp/angerme-ss-shin/entry-12379588922.html

なんかいつからかわからんし気づいたら
武道館でコンサートをするって
夢見ちょったけど
心のどこかで
これは叶わない夢と思ってたんですよ!

やけどいつの間にか
叶わないと思ってた夢が叶う夢になってるんです!!
夢が広がったし
夢を更新していけちゅうやん!と嬉しくなりました!!
やき、これからも夢更新していきたいですね!
夢を見ることがすこし怖かったんですけど
なんか今日は次の夢を叶えるためにはこれからどうしたらいいか考えるのがとても楽しいです!!
みなさんには感謝しかないです!ありがとうございます!!!

 これまで苦労しすぎたからなのか、いつの間にか夢を見ることに臆病になっていた川村。でも、たくさんのファンが集まった日本武道館でのライブを成功させたことによって、また新たな夢を持つことができたと嬉しそうに語っているのです。なんとステキなブログ! あの日、日本武道館にきていたファンは、川村文乃に夢を与えたということを一生の宝にして生きていけることでしょう。

 素直で真面目な川村は、間違いなくいま最もファンを増やしているアイドルのひとりです。長い手足から繰り出される表現力豊かなダンスや、かわいらしい歌声、少々奇怪な言動...。そんなたくさんの魅力を持つ川村文乃は、これからもどんどん新たな夢を叶えていくことでしょう。川村文乃が「お金持ち」になるまでのシンデレラ・ストーリーにぜひとも注目してみてください。(文◎大塚ナギサ)

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