この秋から始まるドラマの話だが、SMAP木村拓哉が、100年後の未来から現代に送り込まれるアンドロイド(人工生命体)に扮するという発表があった。
高視聴率で社会現象まで引き起こしている超人気ドラマ『半沢直樹』のTBS系日曜21時枠で10月から放送という発表を見てオレは、ついに木村、人間やめちゃうんだぁ(笑)って思ったワケ。これはある種の「勝負」なのだろうか。
木村といえば、広告代理店、総理、美容師、パイロット、レーサー、財閥専務、検察官、脳科学者、南極越冬隊......どんな職業に扮するのか、その役どころに注目されるのが特徴的とも言えるが、そのほとんがありえない世界観を作り出してきたことでも知られる。つまり役(職業設定)はあっても、実際には「そんなヤツいねーよ」といったリアル感が全く創り出されないのが木村ドラマとも言える。
まぁ、どんな役でも同じ演技(キャラ)でこなしてしまう究極の俳優でもあるからね。
しかし絶好調の半沢枠からの新ドラマは、なるべくだったらやりたくないだろう。局としては「当たり枠」、しかも今季最高視聴率というゴールドベースに「次」への期待値も当然だ。ただ半沢の当たりは偶然的なもので挑んだものではない。最初から20%超を目論んたものではなく、10%は切りたくないけど20%は贅沢でしょう、みたいなレベル感覚が制作も驚くまさかのメガヒット。
しかし半沢のヒット云々を関係なしに制作を進めてきた木村拓哉主演ドラマ『安堂ロイド ~A.I. knows LOVE?~』に「まさか」のプレッシャーが伸し掛ってしまったということよね。半沢はそこそこイケるでしょう、10月はドカンと行くよ、なんてったって日劇ドラマの歴代1位41.3%『Beautiful Life』を持つ木村だもの......50%もいっちゃう!? みたいな予測だっただろう(笑)。しかしそんなに甘くはないし半沢以下は可能性大だよね。
タイトルからして当たるドラマとは思えないのはオレだけでしょうか? おそらく多くの方が同じ思いだと思われる。木村がどうこうというより、半沢直樹の流れからはちょっと......とも思えるが、一言で言うと「なんで!?」みたいな......数字を取ろうとする姿勢が感じられないレベルに思える。
時代も時代だからね。視聴率といっても今と昔では大違いだ。ネットの普及で映像メディアも増え、チャンネルも数え切れない昨今、テレビ離れはもちろん、数字に反映されないビデオ録画もあれば、DVDでまとめ見なんていう後からファンも多くいる。夏の夜は巨人戦が「固定」でゴールデンに2時間以上居座っていたのが当たり前だったのは昭和の話だが、今では5%も取れない現実。
人気者、木村拓哉とて他人事ではない。確かに多くの数字をとってきた実績も功績も素晴らしいものがあるし、この枠ではトップ記録保持者である。話題も豊富で印象も深く広く残せる役者としても一流は超一流であるが、そんな木村もここ最近は驚く程の数字は取れていないのが現状。とは申しても連続して20%が厳しいというレベルでほかと比べたら局としては有難い数字である。ただその反面「これ以上は下がれない」という重圧もあるわけだ。
木村を使ったゴールデン・ドラマで20%ダウンはないだろう。それが当然の見方。今で言えば30%前後の推移で今年の絶対的存在「半沢」を超えられるかどうかという余計な比べ物まであるという面倒な話題も持ち上がってしまい、木村本人はそういうのを気にしないやつだが、制作サイドは気も気じゃないだろうな。というより「メンドくせぇ」って感じでしょう。
なんで「アンドロイドにしちゃったんだよ!」「人間でいいじゃん!!」とか誰かが言ってそう。木村=職業という例を前出したが、思えば去年は「無職」を「プライスレス」で熱演していた。まぁありえる話ではあるが、それでもリアルには欠けるねぇ。だってどんな役でも日本の王子様木村拓哉だもの。結局は格好いいし、素敵なワケさ。同性異性、異年齢の誰から見てもあいつはイイ男よね。
本来なら格好悪くなくてはならなくても格好イイんだもの。つまり、そういうふうに作られるが木村ドラマなのよね。そこには、いわゆる「役者魂」というのがないと言われるが、制作サイドの木村の使い方なのよね。本当の王子様を扱う感じのそれよね。木村本人は、言えばどんな役だってやるし根性も座っているので何でもありだろうが、気を遣うばかりの制作サイドがそれをさせずに木村の評価を落としてしまっているでしょう。
また木村ドラマと言えば必ず「恋愛」が絡むし、相手役も話題になる。今回の例で言えば、柴咲コウとのゴールデンカップル復活ということだが、またなんでいちいち恋愛を絡めるのかがオレにはわからない。日本のドラマってそういうのが多いが、特に木村ドラマは結局は「恋愛ドラマ」なのだ。本件も「時空を超えた究極のラブストーリー」というくだりだからね。
ただでさえリアリティがないのに時空という障壁まで作ってちゃってどーすんのよ! というより、木村は40歳の中年オヤジですよ!! この20年間ずっと同じような恋愛ドラマをやっているわけで進歩がないでしょう......というより100年も進歩してまた恋愛系? しかも人間やめて? どーしたのさ??? と心配になってしまう。
天下の木村拓哉をもってしても、もはや人間のままでは数字を取れないと踏んだものなのか......はたまた天下の木村にとってもはや人間の役なんてやってられないというハイレベルな域までいってしまうのか。だとしたら次は天使か神か、あるいは悪魔といったところになる予測がつくと。まぁ、ドラマの作り方の例からして色々あるのだが、それは機会を改めるとして、今回は総じて何が言いたいかというと、求められているのはリアリティなのよね。「あまちゃん」にせよ「半沢直樹」にせよ、ありえる話で想像もできる範囲にある親近要素がふんだんに取り込まれているわけさ。
ドラマをすべてリアルにしろというワケではないが、今回のネタとしては絶対に失敗できない木村ドラマでまさかの「半沢視聴率」という高い壁の前で人間やめました......って、まぁオレはそのネタだけでウケでいるが、世間的には事前のガッカリ感を与えてしまっているのは否めないでしょうね。人間をやめた以外は、結局のところラブストーリーでしょうから、想像では面白さ半減なうえ、また柴崎さんでしょう。ちょっと捻ってほしいよね。
また今回の木村は二役を演じるが、アンドロイドの「ロイド」と、もう一役が天才物理学者「沫嶋黎士」という。コレ「まつしまれいじ」と読むのだが、もはや漫画ですよ! わざわざこんな名前にする必要があるのかどうか、そんなことを問いても仕方がないが、名前からしてリアルナシである。制作に庵野秀明と鶴巻和哉らが名を連ねていることでも話題だが、リアルよりロマンなその背景も垣間見られているということだ。
二次元流行りでリアル恋愛ができないやつも多いからソレもありなのか!? 放送してみてはじめて下される評価は数字がすべてを決めてしまうテレビの怖さ。なんとも言えないしオレもテレビ評論家ではないのでエラソーにできないが、どう考えても時代がこれを求めているとは思えない。バブルの頃だったら何でもありだったが、やっぱり今はリアルよ! 欧米のSFでもリアルに科学的根拠を背景にした作品作りを推奨しているし、日本でも人気なのは『半沢直樹』にせよ『相棒』や『科捜研』だったりね、テレ朝強いよね。
ついで言っておくが人気ドラマには「主題歌」はいらないね。共通しているでしょ。でも主題歌なし戦法はアメリカドラマの影響なのさ。結局マネして成功した例である。大体からして主題歌ってオカシイだろ。主題歌の「主題」って何さ? 昔の特撮やアニメのように「主題歌」というのは「専用歌」であり、またタイトル、つまり「題」も同じか連想させるものじゃないとね。『銀河鉄道999』みたいに。
久しぶりに書いたので無駄に長くなっしまったが......(^^; 要するにまとめると、「時空を超えた究極のラブストーリー」とは言っても、時空は単に「設定」であって、中身は単純なラヴストーリーに等しい。究極かどうか、時空を超えて恋愛しているやつはいないと思うので比べる対象もなく、また想像も必要ないので判断は出来ない。あっ、そういえばオレの友人でジャニ後輩の小林は「小野の小町が好きだ」と言っていたが、これは時空を超えた片思いになるのか......そう考えればオレはクレオパトラが好きだ!
「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」
Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳で芸能界入り、30歳過ぎまでアイドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/
【関連記事】当時の資料画像で検証「NHKあまちゃん・東京編」元ネタの封印された3本のアイドル映画
Written by 平本淳也
Photo by PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~ DVD-BOX/ポニーキャニオン
【ニコ生ナックルズ特別編!平本淳也×久田将義「ジャニーズの闇」】
【この記事を読んでいる人はこんな記事を読んでいます】
●NHK「あまちゃん・東京編」太巻に実在するモデルが?封印されたアイドル醜聞史
●夜のカリスマは誰だ?サッカー日本代表とギャル読者モデル...壮絶すぎる「お持ち帰り事情」