木村拓哉が人間やめてアンドロイドになってから早4週間。評判は至って良くないですね。視聴率はもちろん下がりっぱなしで、つまらないという声は後を絶ちません。
しかし悪いのは「ドラマ」そのものであり、キャストではない。放映される番組の視聴率が良くないと出演者の責任のような風潮になるが、それはどうだろうか。この『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(TBS系)について言えば、間違いなくドラマそのものに原因がある。誰もが思っている通り、その設定からタイトルに至るまで視聴者が納得できる面白味が伝わらないし、またストーリー、内容についても見るに耐えかねないものになっている。
もっとも不思議なのは、このドラマをジャニーズ事務所が木村拓哉で受けたということだ。天下の木村拓哉において失敗は許されないし、ドラマに至っては王者に君臨するポジションを守らなければならない使命もある。
それだけに慎重に選定しているのは当然だが、『安堂ロイド』については何故に? と道理が見えてこない。日曜21時という特別枠だということはあったにせよ、この設定でよくぞOKを出したものだと思う。
おそらく当初の企画書に書かれた文字は派手に踊っていたはずだ。キャストとスタッフ陣の豪華さと目新しさ。共演者の柴咲コウをはじめ、アニメ、サブカルチャー方面での著名スタッフなど、木村拓哉をサポートするには全く問題ない陣営が揃っていることで満足してしまったのかもしれない。さらに、人間とアンドロイドの二役やCGなどこれまでにない材料も魅力的に映っただろう。おそらく関係者の誰もがタイトルや内容についてはそのセンスがよくわからないまま進んでしまって、ここまで視聴率が落ちて大慌てといったところだろう。
この日曜21時枠では、前クール作品『半沢直樹』が思わぬ大ヒットになってしまった後だけに、『安堂ロイド』の低視聴率がより際立ってしまったのも不幸だ。ただ『半沢直樹』は関係ない。ドラマは脚本、原作が良くなければどうにもならない。『安堂ロイド』が面白ければ大正解だっただろう。しかし、どうにも面白くない。木村ファンであっても今回は褒められないという評価は多く、早くも残念感が漂っている。
それでいて出演者だけが叩かれるのは理不尽だ。木村拓哉の時代が終わったとか、ジャニーズは数字が取れないなどと出演者を一方的に批判するのもどうかと思う。先クールの山下智久『SUMMER NUDE』や今クールの長瀬智也『クロコーチ』(金曜22時・TBS系)に草彅剛『独身貴族』(木曜22時・フジテレビ系)など、いずれも視聴率10%前後での攻防が取り出されているが、それはドラマの出来がそのレベルだったということに過ぎない。
ただし、その一方でジャニーズ関連のドラマの視聴率が全体的に年々次第に落ちているという事実は否めない。
木村拓哉に関して凄いと思ったのは、木村拓哉はどんな役をやっても木村拓哉というステータスを保っていることだ。これは一応、褒めている。アンドロイドでもカッコイイなぁと。
「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」
Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳でジャニーズ事務所から芸能界入り、30歳過ぎまでアイ ドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以 来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/
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Written by 平本淳也
Photo by 日曜劇場「安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~」公式サイト