2020年の東京オリンピック開催が決まって湧き上がる一方で、ジャニーズ事務所でも関連した大きな発表があったことはご存知だろうか。事実として7年後に控えた日本でのオリンピック開催に標準を合わせた新しいグループを結成したのだ。その名も「Twenty・Twenty」(トゥエンティ・トゥエンティ)だ。
もちろんこの名称は開催される2020年のことで、グループは20人+20人の計40人という設定。東西をはじめとする全国のジュニアから選抜されるメンバーで構成し、7年間をかけて育成していく計画だ。
ジャニーさんはスポーツも大好きなので、こういった国民的な行事には必ずといっていいほど連動する。バレーボールのV6や嵐、オリンピックに至ってはロサンゼルスのイーグルスなど絡むことが多いが、自国で開催されるオリンピックに着目しないハズがない。
紅白の司会や24時間テレビのメインなど国民が注目する大きな催しを担ってきたジャニーズ軍団。世界が注目するビッグステージ・オリンピックの舞台に参加しないわけがないだろう。おそらく多くの芸能人が何だかの形で狙っているだろうが、中でも歌手としては「国歌斉唱」こそ最高の栄誉になる。
日本の国歌斉唱といえば和田アキ子さんが有名でご本人も狙っていることでしょう。しかし、ジャニーさんにとっては絶対に欲しいアイテムだ。世界に向けた中継での披露はまたとないチャンス。それを標的にした7年間の壮大なプロジェクトなのか。
ジャニーズと言えば「結成からデビューまでの時間が長い」ということでも知られているが、結成=デビューというものではなく、結成は結成で、デビューはデビューと分けられているのがジャニー流だ。
またその間にメンバーも変われば名称も変わることもある。ジャニーズ少年隊から「少年隊」、少年忍者から「忍者」、KinKi Kidsに至ってはいくつもあるが主に「関西(KANSAI)ボーヤ」というグループ名だった。
SMAPは、「スケートボーイズ」という12人組からの精鋭である。そのころあった「平家派」というグループに野口隆史という、現在の「反町隆史」が在籍していたのも有名だ。
今回のTwenty・Twentyは、おそらくその名は変わらずとも結成からデビューまで7年間の予定で随分と長く感じるがジャニーズでは特に珍しいことではない。結成からデビューまでの期間を歴代のグループで見てみよう。
少年隊 1981年結成/1985年デビュー(4年)
忍者 1985年結成/1990年デビュー(5年)
光GENJI 1987年結成/1987年デビュー(5ヶ月)
SMAP 1987年結成/1991年デビュー(4年)
KinKi Kids 1992年結成/1997年デビュー(5年)
新しいところでは、
Kis-My-Ft2 2005年7月結成/2011年8月デビュー(6年)
Hey! Say! JUMP 2007年9月結成/2007年11月デビュー(2ヶ月)
A.B.C-Z 2008年8月結成/2012年1月(DVD)デビュー(4年)
Sexy Zone 2011年9月結成/2011年11月デビュー(2ヶ月)
※いずれも「前身」からの統計
時折、デビュー=結成という例も少なくはないが、その場合、活動前歴があるメンバーが選ばれていることも関係している。単純にジュニア歴が長いとか、前に結成していたグループからの移動や変形とか様々であり、ジャニーズの法則として原則的には結成しました、だからといってすぐにデビューではありません......とかなり勿体ぶる独自のジラシ策略なのだ。ちなみにA.B.C-Zは「A.B.C」というグループで2001年から2008年まで7年間もの活動歴があり、今年で12年間......ジャニーズ最長記録だろう。
ジャニーさんは「五輪が始まる7年後にスターになる子どもたち」としてTwenty・Twentyを結成したが、はたしてデビュー(CD)はあるのかどうか。それ以前にメンバーもどれくらい入れ替わっていくのかファンには面白いネタだろうが、最近のジャニーズはひじょうに緩いと聞くので7年間もあればイザコザも耐えないだろう。事件や事故も予想されるので初期メンバーとなってもデビューにたどり着けるかどうかは別の話だ。
全国のジュニアから40人というメンバーで活動しながらの入れ替えであれば、参加の述べ人数は軽く100人以上に上ることだろう。僕の時代には20~30人程度のジュニア体制だったが、現在は700~800人もいて事務所も把握はしていない様子で管理もレッスンもほとんど行われていない中で選ばれるとしたらお気に入りか若い子だろう。
当初は東京開催の云々に問わず、Twenty・Twentyは結成して続けるという意向だったようだが、そこは天下のジャニーさん。東京開催の決定を確信していたかのように今回の喜びとなって7年先までの目標を掲げたが、そのときジャニーさんは89歳でメリーさんに至っては100歳へのカウントダウンである。
もしかしたらジャニーズの集大成的な存在としてか、またアイドルの象徴として残そうとするビッグプランなのか。ジャニーさんの最後の大仕事になるかもしれないが、それ以前になにが凄いって、結成から何年も経ってデビューというジャニーズ流は他では間違いなく成立しないことだ。
今か今かと待ってくれるファンが存在するというのも特徴的だが、特にアイドルとなれば「短命」が一般的である。一線での活躍は長くても5年から7年の周期がビジネス論でもあるが、モーニング娘。やAKB48にしても最近のアイドルたちは息が長い。
1997年に結成して現在まで16年も活動を続けているモーニング娘。や8年目になるAAKB48......メンバーの入れ替えというスタイルが確立された現代の法則形式といっても良いが、Twenty・Twentyはそれに似て非なるものだろう。
しかし結成から何ヶ月も何年も待たせてもいざデビューとなれば1位を獲得して独走できるジャニーズは凄いわけで、数年で飽きられる他とは全く違う次元にあることも言うまでもない。そしてそれをステータスにしているジャニーさんはやはり凄いわけで、今回のオリンピックまでの7年間というプロジェクトはジャニーズの象徴していると言えるだろう。
「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」
Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳で芸能界入り、30歳過ぎまでアイドルを続け、現在もテ レビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以来、34冊の書籍を発 表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/
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Written by 平本淳也
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