毎年のことだが『24時間テレビ-愛は地球を救う-』の放送が近づくと決まって取り出されるのが「出演者のギャラ問題」だ。
24時間テレビと言えば1978年に開始されて以来、夏の風物詩ともなっている「チャリティー番組」で今年36回目を迎える長時間の生放送だが、これまで323億円もの募金を集めた実質的な社会貢献に意義あるものとして広く支持されている。
ただ面白いことに何故か毎年ギャラの問題が勃発する。
「チャリティー番組なのにギャラ出るの?」「ボランティアじゃないの?」というのが代表的だが、オレからすれば、え?? なんで?? そんなこと思うの?? 仕事なんだから報酬はもらって当然でしょう。というより、普通に「仕事」なのよ。ただ番組がチャリティーだからといって出演者だけの報酬がゼロというのは逆にオカシクないか?
普通に考えてごらんよ! 番組を作ります、それにはお金がかかります。タダでは制作できませんし、テレビ局だってあらゆるところでお金はかかりますよね。もちろん「制作費」には出演者らの報酬も含まれているワケですわ。仕事ですもの、当然ですよね。
その制作費はスポンサーから捻出されるのだが、24時間テレビの場合は、例えばCMなどで20億からの収入があり、制作費となる支出は5億程度で15億程度の利益が生まれているとしよう。日テレにしてみればオイシイ番組作りであるが、企業として得たこの利益は会社のものであって特に寄付をする必要性はないでしょう。
出演者だけが批判のターゲットにされているが、プロデューサーやディレクターらスタッフの報酬もダメということか?? テレビ局も5億円もの経費を自腹を切ってやれということか??
それはオカシイし違うと思わないか!?
「庶民に募金を呼びかけるくせに、自分は高額のギャラをもらっている」と言われても、平均して毎年10億以上もの募金を集められる「出演者」は番組の顔として重要な任務になるよね。ある意味「視聴率」と同じ感覚だろう。例えば今年の嵐と上戸彩が去年度の募金額から大きくは下回れない役割もあってのことだ。これはこれで「テレビ制作」というビジネスの話だからそういう計算や意識も当然だし、スポンサーに対しても相当の責任が生じているのも事実である。
それに24時間テレビとは言ってもメインとなる出演者は当日の24時間だけが仕事ではない。番組内のドラマやロケは2~3ヶ月前には本格化して稼働しているし、海外ロケも多いので1年前からの準備も少なくない。100キロマラソンにしても幾日ものトレーニングを介しての挑戦である。これらを無償で、なおかつ責任もってやれというのがオカシイでしょう。何度も言うが「仕事」なのよ!! もっと言えば「ボランティア」ではないということだ。
チャリティー番組に出演するということがイコールしてボランティアと勝手に思い込む方がどうかしていると思う。もちろん、偽善でもなければ詐欺でもないだろう。35年間で相当の実績を残してもなお続けていくだけでも社会貢献になっている事実。
「高額なギャラを福祉に回せ!」といった声もあるが、ギャラの出処は「制作費」であって最初から予算に組み込まれているものだ。その「制作費」を出しているのはスポンサーであって「寄付を目的として支出している訳ではない」のと、スポンサーである企業も制作費とは別に寄付もしていれば施設や団体に対しても強い支援も行っているのよ。
それでなにがオカシイのか。どこが不満なのか?
例えば、テレビ番組ではなく、よくある「チャリティーライブ」の例で言えば、アーティストが主催を兼ねて行う場合、スポンサーの有無も関係するが基本的には支出があって収入があるだろ。チケット代などの収入が1,000万円だとして、制作に500万円かかって利益は500万円としましょう。当然、チャリティーなので名目的にこの利益500万円を寄付するという形になる。
ただ勘違いしちゃいけないのが、かかった経費の制作費にはギャランティも含まれるのが常識だ。広報的には貰うべきでない報酬でも「経費」として得る。ゲストなどへの「交通費」や「宿泊費」「食費」「雑費」などの「経費」はかかるだろう。つまり「もらいかたの話」である。
「ギャランティはありませんが経費は支払います」ということ。もちろん自分の分も経費は予算にある。スポンサーがついていれば計算は違うものの、持ち出しではなく支出のみの消化と売上の足し算引き算で余ったお金、つまり「利益」を全額寄付するといったのが常識だ。
最初から赤字を覚悟してチャリティーイベントを開催するバカはいないだろう。チャリティーができるのは「時間と金に余裕があるから」であり、成功できる可能性が保証されている立場でしかできないだろう。
赤字を覚悟しているならその「覚悟の金額」を寄付したほうが賢明になってしまうので、面倒と時間をかけた分が大きな損害となる。24時間テレビにはそういうアホな計算はなく、事業の利益は利益としての当然で、目的としての募金活動やその管理から広報までの総事業を企業として担っているうえでの報酬であり、また集められた誠意にもしっかりと応えているからこそ35年も続けられるのよ。
まぁ、今年の場合は強いて言えばメインを務める「嵐」に対する不満としか思えないし、彼らの人気が羨ましいのかどうかといった程度のクダラナイ文句でしかないでしょ。そのメインとなる嵐のギャラが5,000万円というのが「今年の24時間テレビネタ」として筆頭に上がって走り出したが、24時間の生放送に加えて向こう1年間のキャラ責任に加えて2ヶ月以上の準備参加でたったの5000万円なら安いと思うが...SMAPなら1時間で5000万円飛ぶよ!
嵐も24時間テレビからの紅白司会といつの間にかジャニーズの稼ぎ頭になっていてその露出は凄まじいが、結成当時は誰も想像してなかっただろうな。デビューできないかもしれない寄せ集め組が今の「嵐」だったらね。特にリーダー大野は棚ぼた抜擢......。その話は今度書くとしましょうか。
【注目記事】「JKは40万で売れる」人身売買が凶悪化...西成の人さらい集団
「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」
Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳で芸能界入り、30歳過ぎまでアイドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/
Written by 平本淳也
Photo by 24HOUR TELEVISIONドラマスペシャル2012「車イスで僕は空を飛ぶ」/バップ
【ニコ生ナックルズ特別編!平本淳也×久田将義「ジャニーズの闇」】
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