TABLOとは

アメリカが生んだ、偉大な古典ミステリーの大家レイモンド・チャンドラー作品の主人公フィリップ・マーロウの有名なセリフがあります。

「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」

人が生きていく上で、「優しさ」こそ最も大切なものであることを端的に表現した言葉です。優しさとは「人を思いやる気持ち」であり「想像力を働かせること」です。弱者の立場に立つ想像力。

「人に優しく」

これは報道する側にも言えることだと思います。

現在、ヘイトニュース、ヘイト発言、フェイクニュースがネットの普及に従い、増大しており、報道関係者の間では深刻な問題となっています。そこには「人に優しく」という考えが存在していません。

なぜ、ヘイト(差別)ニュースがはびこるのか。「相手はどういう感情を抱くのか」という想像力の欠如がなせる業です。ヘイトによって、人は人に憎悪し、戦争が起き、傷ましい結果をもたらし、人類は反省し、「差別をしてはならない」ということを学んだはずです。

しかし、またもヘイトニュースがはびこる世の中になっています。人種差別だけではありません、LGBT差別、女性差別、職業差別等々、依然としてなくなっていないのだな、ということは心ある人ならネットの言論にはびこっていることに気づいているはずです。本サイトはこのヘイトに対して徹頭徹尾、対峙するものです。

参考記事:能町みね子×吉田豪 対談『ヘイトとフェイクニュース』を語る|第一回 「あなたの正義」を疑え

そしてフェイクニュースもヘイトにつながっています。元来、フェイクニュースというものは、全く別の意味合いで使われていました。エイプリルフールで、嘘ニュースを流す人がいます。これは「悪意のないフェイク」です。元々は人を楽しませる目的でフェイクニュースは使われていました。

しかし、現在フェイクニュースは差別発言をする人たちの間で、「フェイクであっても自分たちの主張に都合の良いニュースなら良い」という意味合いで用いられています。これも、メディアにとって危うい兆候です。何がヘイトか、何がフェイクかということを読者は選択し、見抜かなければなりません。ヘイトにもフェイクにも「人への優しさ」が決定的に欠けています。本サイトは優しいニュースサイトを形成し、反ヘイト・反フェイクの立場からニュースを配信するものです。

記事が成立する条件として、公共性・公益性・真実性、および真実に相当たる理由。この三条件が満たされるものがニュースとして掲載されます。その三条件に付け加えるものとして本サイトは「優しさ」を挙げたいと思います。

「人に優しい」という本サイトのキャッチフレーズはヘイト、フェイクニュースに対抗するものにほかならないのです。

文・久田将義 TABLO編集長