AKB新劇場 さすがの世界感で魅惑した『ここからだ』公演
エモい。まさにこの一言に尽きる公演でした――。
AKBいや、グループ全体の聖地と言っていいでしょうAKB劇場。そのAKB劇場が2024年12月8日リニューアルしました。2005年からスタートしたAKBもすでに20年経ちました。そして、新しくAKB48が進撃する意味も含めて公演名は『ここからだ』。平日(1月20日)だというのに新AKB劇場はいつものように超満員でした。
一度でも行った事がある人はもう一度。まだ行っていない人は、一回行ってみると良いでしょう。「劇場ならではの良さ」が感じられるはずです。1月20日のライブは、ここがAKBの原点という事が改めて思い知らされました。
開演と共に、いつものチャイムが鳴らされます。エモい。これをずっと続けて頂きたい。そして「A・K・B・フォーティーエーイト」のナレーション。ファンのミックス。変わりません。
スポットライトを浴びてAKB48の公演メンバーが姿を現します。
ここで、改めて「AKBはやっぱりAKBなんだな」と、独特の世界を確立されていると、実感しました。諸先輩たちが築いたムーブメント。文化人、スポーツ選手、政治家までもファンを公言し、まさに社会現象にまでなったAKBは揺るぎないものがあるんだなと思いました。
「ここからだ」を披露するAKB。イメージを変えてきたのかなと思いきや、「劇場へようこそ」などの曲でAKBらしさであるキラキラ感を前面に押し出していきます。劇場の何より良い事。演劇で言えば大衆演劇である点でしょう。また、あくまでも個人的にですが気になったメンバーを以下に。
卒業を発表した「シアターの女神」村山彩希のキレキレのダンスパフォーマンスに目が行きます。AKBがテレビで冠番組をもっていた時にコントでも活躍した向井地美音の安定感。この公演でセンターをもっとも多く飾っているであろう小栗有以の透明感。この人はインタビューをした事がありますが、気取った様子は全くみせず終始丁寧に受け答えしている姿が好印象でした。そして千葉恵里の「アイドル感」や倉野尾成美のMCでもパフォーマンスでの安定感。他のメンバーに紙面の都合上言及できないのが残念ですが、総じて彼女たちの世界観に引き込まれていっていました。
そして10数年前、初めてAKB劇場に行った時の事を思い出しました。チームB公演でした。雪が降っていました。当時、AKBは、一般には知られておらず深夜番組に登場する程度でしたので、僕も人に誘われて何となく行っただけでした。が、事件取材などを主にしていた僕はやはり「現場」に行かないと分からない事があると改めて思い知らされました、アイドルの底力を。ファンの熱気を見て「アイドルは人に力を与えている」、と。
新AKB劇場公演『ここからだ』を見て当時のカルチャーショックを思い出しました。「ここから」AKBの再進撃が始まると思わせる公演でした。
「どんなに売れても ここで歌っています」(劇場曲「チームB推し」より) (写真@AKB48/文@久田将義)