「元アイドル」の早見あかりと真野恵里菜が結婚を発表 彼女たちが現役アイドルに与えた”衝撃”とは

ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』の公式Twitterも結婚を祝福

 元ももいろクローバーのメンバーで女優として活躍中の早見あかり(23)が、婚約を発表しました。お相手は30代前半の会社員の一般男性。2014年から交際しており、年内に結婚するとのことです。

 2008年から2011年までももクロのメンバーとして活動していたあかりん。メンバーのなかでもっとも身長が高く、大人っぽい出で立ちは、元気いっぱいのももクロの中では一際異彩を放つ存在でした。しかし、本人はアイドルに向いていなかったと感じていたようで、そんな苦悩が影響したのか、当時開催していた個別握手会では、あかりんの列がいちばん短かったなどというエピソードもあります。

 そんななか、あかりんは2011年4月に女優の道を進みたいという理由でももクロを脱退。これを期にももクロは、「ももいろクローバーZ」と改名し、快進撃を始めることとなります。

 その後のあかりんは着実に女優としてのキャリアを積み、NHKの朝ドラ『マッサン』で主人公の妹役を演じたり、フジテレビ系ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』で主演を務めたりと大活躍。”NHK朝ドラの主演”というかねてからの大きな目標こそ、まだ達成できていないものの、”元アイドルの女優はなかなかブレイクできない”というジンクスがあるなか、しっかりと結果を出しています。

 そしてまさかの結婚です。どうやら確認できる範囲ではももクロの歴代メンバーのなかでは、初の既婚者となるようです。女優の仕事も軌道に乗って、プライベートでも幸せを掴んで、まさに順風満帆なあかりん。ももクロを脱退したのは、結果的に正しい選択だったといえるでしょう。

悔しさから這い上がった真野恵里菜

 一方、あかりんと同様に最近結婚を発表した元アイドル女優が真野恵里菜(27)。お相手がサッカー日本代表MFの柴崎岳(26)だというんだから、驚きです。

 2006年にハロー!プロジェクトの研修組織「ハロプロエッグ」に加入し、アイドルとしてのキャリアをスタートした真野ちゃん。2007年には音楽ガッタスのメンバーとしてメジャーデビュー。さらに2008年にはソロ歌手としての活動を開始し、2009年にメジャーデビューしています。

 真野ちゃんは、ハロプロ在籍時から女優としても様々な作品に出演。ライブ活動が中心のハロプロメンバーの中では異色な存在でした。

 そんな真野ちゃんに転機となる出来事が起こります。真野ちゃんがオーディションを勝ち抜き主演の座を射止めた映画でのこと。途中で脚本が変更し”あるシーン”が追加されたのですが、そのシーンは「アイドルとしてはここまではできない」という内容のものだったのです。監督としてもこの作品にはそのシーンが必要だということで妥協はできず、かといって真野ちゃんサイドとしても”ハロプロのアイドル”である限りそのシーンを演じることができない……。
 結局真野ちゃんはその段階ではハロプロのアイドルを辞めることはなく、主演を降りてしまったそうです。このエピソードは、YouTubeで配信されている番組【tiny tiny#37】で語られています。

【tiny tiny#37】
https://www.youtube.com/watch?v=UcjuGOVhlB0

 この体験があまりにも悔しかった真野ちゃんは、アイドルではなく女優として進んでいくことを決心。2013年にハロプロを卒業することとなります。

 その後の真野ちゃんはテレビ東京系ドラマ『みんなエスパーだよ』、NHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』、TBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』などに出演。”元アイドル女優”として稀有な成功例となっています。

 そして真野ちゃんも結婚。柴崎選手がスペインでプレーしているということで、今後の女優活動は多少減ってしまうかもしれませんが、芸能活動は継続するとのことで、あかりん同様、仕事もプライベートも超充実という感じでしょう。

アイドルと女優 どっちがすごい?

 AKB48のブレイク以降、数多くの女性アイドルが世に出ていますが、アイドルを辞めて女優に転身し、成功した例はかなり少ないのが現実です。特にドラマや映画などの映像系の女優として元アイドルが生き残るのは相当難しく、元AKB48なら明確な成功例は前田敦子と川栄李奈くらい(大島優子は留学に行ってしまったので微妙)。あとは、元乙女新党の葵わかな、そして早見あかりと真野恵里菜くらいでしょう。舞台女優やバラエティータレントとしての成功例はあっても、映像系の女優での成功は相当難しいのです。

 しかも、あかりんと真野ちゃんに関しては、「アイドルと女優は両立できない」と悟ったうえで女優の道に進んでいるわけです。「女優になるためのステップとしてアイドルになる」というケースはよく聞きますが、実際にはアイドルとしての活動は女優になるための足かせになることも珍しくないということなのです。

 もちろん、アイドル活動で得られるものはたくさんあるでしょうが、それがそのまま女優としてのキャリアに繋がるわけではない。残念ながらそれが現実なのでしょう。もしも、将来的に女優の道に進みたいのであれば、ひとまずどこかのアイドルグループに入るのではなく、最初から女優の道を進んだほうがいいのかもしれません。

 そして、現実問題としてどのアイドルグループでも恋愛禁止が不文律となっているわけで、結婚をしたいのであれば、アイドルではいられないのです。あかりんや真野ちゃんのように、人生の勝ち組になりたいのなら、アイドルではなく、女優になるしかないのです。

 これはアイドルと女優のどっちがいいかとか、どっちが上かとか、そういう話ではなく、それぞれの道が全く別モノだということです。エンタメ業界においては「歌って踊るアイドル」と「演技をする女優」が完全に分業化されており、”生え抜き”ではない人が参入するのは相当難しい。元アイドル女優が成功しにくいのと同じで、仮に女優からアイドルグループに転身したとしても、そう簡単には成功しないでしょう。

 だからこそ、元アイドル女優として結果を出し、さらには結婚という幸せをつかんだあかりんと真野ちゃんは、かなりのレアケースであり、「将来女優になりたい」と夢見ている現役アイドルたちにとっては希望の星なのです。そういう意味では、この2人こそが、今後のアイドルシーンに大きな影響を与えることとなるかもしれません。

 その一方で、ただひとつ言えるのは、いろいろな制限があるというのに、わざわざアイドルの道を進んでくれている現役アイドルたちは、アイドルファンにとってまさに天使そのものだということ。自分の幸せを犠牲にして、ファンに幸せを与えてくれているのですから、それはそれで女優として大成するのと同じくらい素晴らしいことではありませんか!

 女優に転身した元アイドルたちの活躍や幸せを願うのはもちろんですが、それと同時に自らを犠牲にして活動を続ける現役アイドルの皆様も称えようではありませんか! アイドルは、アイドルとしてそこに存在しているだけで素晴らしいのです。(文◎大塚ナギサ)