新宿「たちんぼ」現場取材 東京五輪に向けての規制強化で女性たちの居場所も偏在しがちな状況
先日、東京消防庁が機動査察隊を歌舞伎町に配備。来年に迫った東京オリンピックに向けて、お上も歓楽街の治安維持に本腰を入れ始めた感がある。そんななか、一部風俗マニアに根強い人気がある「立ちんぼ」も取り締まり強化を受けて、少なくなっている……という話題がネットを中心に囁かれている。
しかしである。先日、当サイトでも取り上げた“某有名ホテルチェーン”脇の中国人向け立ちんぼの出現に見られるよう、実際は東京オリンピックという稼ぎ時に向けて、加速度的に増えているというのが歌舞伎町ウォッチャーとしての実感だ。具体的に出現ポイントを整理してみよう。
まず挙げられるのは、韓流ブームで湧く新大久保近辺の立ちんぼ。場所はJR線近くのプチラブホテル街だが、ここはある意味、伝統的な立ちんぼのシマで、20年ほど前はコロンビア人娼婦で賑わっていた。それがここ数年、中国人立ちんぼのシマとなり、常に複数の女性が春をひさいでいる状態だ。
そこから、職安通りを越えてほぼ南に歌舞伎町に入ると、大久保公園やハイジアがあり、そこにも不定期に立ちんぼがいることがある。だが、同時にすぐ近くに歌舞伎町交番があり、現状ここでの「営業」は不安定になりがちだ。そして、さらに歌舞伎花道という中心路をさらに南に超えると、前に挙げた「有名ホテルチェーン」脇の立ちんぼが中国人観光客を誘っている。
一方、ここ最近目に見て存在感を増してきたのが、西武新宿駅にすぐ近い、通称・歌舞伎町海老通り近辺にいる立ちんぼだ。海老通りには、ノーパン喫茶ブームの頃から許可店風俗もあるだけに、ある意味大胆だとは思うのだが、その分、歌舞伎町交番からは離れるので、今後はハイジア近辺よりこちらに集中することも予想される。
もっとも、ここは2022年に開業予定の東急系ホテルの裏側にもあたり、今後このホテルが歌舞伎町のランドマークになることを考えると、開業後も立ちんぼが営業しやすい場所とは思えない。やはり、東京オリンピックを目安としてひと稼ぎ……と推測するのが妥当だろう。
いずれにしても、ここ最近の中国人観光客の増加は、かつてのように日本人相手の売春という単純のものじゃないということだ。好調なインバウンド景気を当て込んで、外国人、特に東アジアの男性観光客を狙っている節がある。そういった意味では、歌舞伎町の立ちんぼはまだまだ増え続ける可能性が大きい。
反面、いま現在は、地元との目立った摩擦は見られないが、お上の動きと相まって流動的な部分が大きいのも確かである。(取材・文◎鈴木光司)