各国でキラキラネーム拡大の危機…貧困や犯罪率にも影響か

元「メシア」ちゃんと母親のジャリーサ・マーティンさん。

先日、米テネシー州で「メシア」と名付けられた男児に対して、同州判事が名前の変更を命じたことが大きな話題となった。これはいわゆる親が子供に常識的に考えにくい名前を付けてしまう「キラキラネーム問題」だが、何もアメリカと日本だけの現象ではない。どうやら地球規模で広がっているようなのだ。

2013年1月にはニュージーランド内務省はあまりに増える奇妙な命名に対して、これまで登録を拒否した「4Real」「ルシファー」「アナル」など77件の名前リストを公開して注意を呼びかけた。同様にドイツ当局も「インベーダー」「ウイスキー」「ウッドストック」「ヨーグルト」などの拒否リストを公表している。スウェーデンでも「メタリカ」や「スーパーマン」などの名前が却下されている。

アジアに目を向けると、より状況は深刻だ。中国教育省が公表した「中国言語生活状況」によれば、伝統的な姓名の構造に変化が表れ、「@」や「-A」など記号やローマ字を使った個性的な名前を付ける親が出現したことを明らかにしている。韓国では竹島に遠泳した俳優のソン・イルグクが三つ子の男児に「大韓」「民国」「万歳」と名付けたことで、韓国国民の賞賛を浴びている。

日本の場合はもはや目も当てられない。戸籍法では人名に使える漢字を限定しているだけで、その読みについては戸籍に記載されないため、まったくの自由という状態。実質的に世界をリードするキラキラネーム先進国となっているのだ。