警視庁・三浦正充警視総監がタレントを携え歌舞伎町をパレード 本当に暴力団と闘う覚悟はあるの――?

これはどこに基準を置くかにもよるが、少なくとも風俗店で溢れていた90年代後半に比べると、残念ながらボッタクリ被害などに遭う確率は高くなったと言わざるを得ない。理由は単純で、石原都政の歌舞伎町浄化作戦の際、関係者の間で“みなし店”と呼ばれていたイメクラや性感マッサージなどのグレーゾーン店舗を徹底的に摘発した結果、悪質業者が地下に潜ったことが大きいからだ。

特に浄化作戦以降、それまでみなし店に配慮して大っぴらなキャッチを行っていなかったボッタクリ店が跋扈するようになった。現在の歌舞伎町は、日本人やアフリカ系外国人による悪質キャッチの被害が止まず、街頭での再三の注意喚起もさほど功を奏してはいない。

もっとも、かつてキャッチがみなし店に配慮していたのは、(ケツ持ちである)背後に遠慮したからであり、逆説的に言えばお上の守護より裏社会の守護のほうが庶民には安全だったということにもなる。

無論、暴力団を肯定するワケではない。ただ、改正暴力団排除条例で強制的に腐れ縁を絶たせるなら、警察には店側の新たな守護となる義務がある、ということだ。警視総監のPR的地回りだけで終わらせることは許されない。(取材・文◎鈴木光司)

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