山口組ナンバー2出所…分裂抗争の今後を読む「2つのポイント」 一般人を巻き込む殺し合いが勃発する可能性は――
消息筋によれば、第1のポイントは神戸山口組の動きだ。ともに弘道会(名古屋市)を出身母体とする司忍組長が君臨し、高山若頭が仕切る6代目体制への不服を唱えて分裂した神戸山口組が、高山若頭の出所を警戒していたことは想像に難くない。
また今月10日、弘道会の傘下組幹部が、神戸山口組山健組系組員2人を射殺する事件が発生。神戸山口組による「報復」が警戒されている。
「しかし今後、6代目山口組の幹部や組員に対する襲撃事件が発生し、それが明らかに神戸山口組による報復だとわかれば、警察は速やかに両団体の『特定抗争指定暴力団』指定に動くだろう」(前出・消息筋)
抗争の当事者として「特定抗争指定暴力団」に指定されると、その団体の組員は相手の事務所に近づくことが禁止されるのはもちろん、自分の団体の事務所に出入りしたり、同じ組織の組員が5人以上集まったりしただけで逮捕される。期間は3カ月だが、必要と見なされれば指定が繰り返され、組織の維持が困難になる。また、仮に6代目山口組と神戸山口組に対する指定が長期化すれば、もうひとつの分裂組織である任侠山口組がその間隙を縫い、勢力を拡大する可能性もある。
一方、警察当局としては、抗争がいっそう激化する前に「特定抗争指定暴力団」への指定を実行し、抑え込みたいのがホンネだろう。