フェイクか、真実か UFO研究家にその真偽を問う映画『虚空門GATE』 このドキュメンタリー、絶対当たる!

独特の空気を生む一因には、庄司を始めとする「UFO村」と言って差し支えがあれば、UFO・スピリチャル界隈の人々たちの存在感があると言えよう。名前をあげれば、映画の冒頭に登場する超能力者の秋山眞人氏、雑誌『ムー』の三上丈晴編集長、スピリチャル界の大御所・エハン・デラビィ氏、そして本作で重要な役目を果たすUFO研究家・竹本良氏などだ。

実は筆者も、とあるグラビア雑誌の創刊時、UFOやUMA(未確認生物)あるいは、スピリチャル系を相当期間担当しており、前述した人たちのなかにも、お世話になった方がいる。それだけに、村の存在感を“それとなく”あぶりだした本作はある意味、小気味よい。

ただひとつ、懸念するのは、「ああ、トンデモ系の人のドキュメントね」と思われてしまうことだ。UFO系はとかくトンデモの一括りで済まされてしまいがちだが、今回、小路谷監督が描いたのは、トンデモと呼ばれる人たちの存在であり、その虚実であり、想定外のアクシデントであり、また一面「愛の映画」だ。さらに言えば、UFOそのものも、しっかりとカメラは捉えている。為念。

少なくとも、先入観を持たずに見てもらえば、いい意味での“予想外”を得ることが出来るであろう。近年の商業ドキュメンタリー映画としては、出色であることは間違いない。(文◎鈴木光司)

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