私たちはこんな男の為に働いているのか? 生活保護費をパチンコに費やしスーパーで強盗 有り金を使い切った男の言葉

パチンコ代が欲しかった、というだけの理由で彼は犯行に至ったわけではありません。もう1つの動機があったようです。むしろ、もう1つの方がメインと言っていいと思います。

その動機は「刑務所に入りたい」というものでした。

このような動機で犯罪を犯す人のことを俗に「志願兵」という呼び方をすることがありますが、彼も志願兵の1人でした。

「もうね、どうでもいいって思ったんですよ。へへっ。俺、もう73歳でしょ。それで結婚してない、子どももいない。将来の見通しもない。夢も希望もないんですよ。なんにもない。結局電気だって停められちゃって。へへへ。こんな生活やるくらいなら刑務所の方がいいですよ。シャバよりいい。食べるのだって困らないですし」

そしてこう付け加えました。

「もう俺なんて死んだっていいんですけどね。へへへ」

 

彼の言葉からはやはり反省は微塵も感じられません。更正する可能性があるとも思えません。

彼が電気の点かない暗い部屋にいる時も、盗んだ金でパチンコをしている時も、ずっと胸のうちに抱えていたであろう絶望を想うと、反省や更正といった言葉がとても空虚なものに感じられてしまいます。

強盗罪という重罪とはいえ数年後には出所になります。その後彼がどう生きるのか、そこに少しでも希望があるのか、それは現段階では誰にもわかりません。(取材・文◎鈴木孔明)

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