埼玉・大宮の風俗ビル火災から学ぶ『性サービス中に火災が起きた時の対処法』
女の子に夢中になる前に確認すること
12月17日午後、埼玉県大宮駅近くの風俗店が入るビルが全焼。4人が死亡するなど12人が死傷したビル火災。私は普段、風俗店を紹介する商業ポータルサイトで取材・記事を担当しており、お店にお伺いする機会も多いことから、わかる範囲で今回の火災が起きた原因、火事が起きた場合などの対処法などを書かせていただけたらと思います。
この記事を書いている現時点で(12月18日)、出火原因の特定はされておらず、一部報道では「ゴミ置き場付近が火元ではないか」となっている事から推測するに、おそらく煙草の吸殻の不始末による出火ではないかと思われます。
客が待機する自宅やホテルに女性が向かうデリバリーヘルスと違い、個室の数が決まっている店舗型風俗店(ソープランドやファッションヘルス)、その中でも短時間・格安料金でサービスを提供する店舗にとって、回転率…いかに効率よく部屋を回すかはとても重要。
前の客が部屋を出て、次の客を入れるまでのタイムロスをいかに短縮するかが勝負になります。特に予約が詰まっている場合などは、出来るだけ短時間で拭きあげ(個室の清掃)を済まさなければいけないので、灰皿の吸殻を直接ゴミ袋に捨ててしまう事もあります。
おそらくですが、その吸殻が使用済みのティッシュなどに引火し、燃え広がってしまったのではないでしょうか。忙しい事情もわかりますが、働く女性たちも、セットカバー(掃除を手伝う)する男性スタッフも、必ず吸い殻は濡らしてから捨てる等、火の元には十分注意する心がけが必要かと思われます。
また、店舗によってはフロア内が迷路のように入り組んだ構造になっており、私も取材後に部屋を出るとフロントまで戻るのに一苦労……という場合も多々あります。女の子とご対面し、個室に移動するまでの間は浮かれ気分になってしまう気持ちもわかりますが、初めて利用するお店の場合は、フロントまでの経路や非常口の確認はしておくようにしましょう。
万が一、今回のような火災が起きた場合ですが、ソープランドはお風呂場、ファッションヘルスはシャワールーム等の水場がかならずあります。シーツや大きなタオルを濡らし、頭から被って鼻と口元を覆い、煙を吸い込まないようにしてすみやかに非難するようにしてください。
実は古くなる一方である風俗ビル
今回の火災とは直接関係はないかもしれませんが、建物の老朽化問題も深刻で、2年前に吉原のソープランドでボイラーが爆発した事故もありました。
新たにお店を建てられない。老朽化により店舗型風俗店の軒数は先細りする一方の現状……全国的に避難経路、防火設備の点検等の徹底はすべきですが、今回の火災をきっかけに「結果として風俗店そのものを無くすための検査」が行われないかが心配です。
臭いものに蓋とばかりに無くすのではなく、その存在を認めたうえで安全に働ける・安心して遊べるための法改正が必要なのではないでしょうか。
様々な理由、夢や目標があり風俗で働く女性たちが志半ばで……。今回の火災はとてもいたましい事故でした。同じ悲劇が二度と起きないよう、建物のオーナー、現場で働くスタッフ、女性たちも日頃の注意を怠らないようにしていただきたいものです。
文◎阿部定治