#metooの余波か 南北会談の裏でイケメン大統領候補がセクハラ・性的暴行で辞任|韓国

謎のジャンプ(本人のInstagramより)

 韓国の忠清南道の知事・安熙正(アン・ヒジョン、6日に辞任)の秘書が、知事による性的暴行をテレビ番組で告発し、韓国で大きな話題になっている。秘書はニュース番組に顔出しで登場し、昨年の6月から今年2月にかけて4度、自分の意と反して性的関係を強要されたことを暴露した。 安熙正 はその日のうちに自身のFacebookアカウント上で、謝罪し、知事を辞任すると表明、翌日、辞任した。

 安熙正は文在寅大統領の盟友である故・盧武鉉元大統領の選挙キャンプで活動した「盧武鉉チルドレン」のような存在。クリーンなイメージで、愛妻家アピールも有名だった。昨年の3月のホワイトデーには、ドラマのパロディ映像まで作って、そのなかで妻に愛の告白もしている。爽やかな外見から「忠清南道のEXO(EXOは韓国の人気アイドル)」とも呼ばれていた。

昨年三月、ホワイトデーアピール。(本人のInstagramより)

 何よりも彼は次期大統領候補の一人ともされており、民主党支持者でも若い層に人気があったため、その衝撃は大きい。

 安熙正は#metoo運動も意識していた様子で、件の女性は被害を告発した番組内でこう語っている。

「知事が夜に私を呼び出して、metooに関する話をしました。metooに不安がる様子を見せていたのですが、metooを見ながら自分は君を傷付けたということが分かった、すまない、君はあの時大丈夫だったか? と言うので、今日はそういうことをされないと思ったのに、結局、その日もそうされました」

 韓国では最近、女性が過去の性的被害について告発することが相次いでいる。米国のハリウッド界から始まった#metoo運動(セクハラや性的虐待を告白する際に使われるハッシュタグ)に影響されるもので、芸能界のみならず、民間企業、検察など各界に広がっている。 与党民主党の知事のスキャンダルに文在寅政権へのダメージを指摘する論調もなくはないが、むしろ政権交代した韓国社会のムードが女性に告発する勇気を与えているため、文政権への批判は少ないようだ。(文◎李ソヨン)

昨年五月、投票所で愛妻家アピール(本人のInstagramより)