稲村亜美ににじり寄る中学生たちの既視感……そうだ、それはまさに「汁男優」と同じ動き!
タレントの稲村亜美さんが3月10日に行った、関東シニアリーグの始球式が話題となっています。動画を確認すると、選手である中学生たちの稲村さんを囲む輪がじりじりと狭くなり、ついには姿が見えなくなるまで大群が押し寄せるという衝撃映像。反響はすさまじく、本サイトでも取り上げました。
そして3月13日、中学生たちが「集団で痴漢行為をした」という情報がSNSを中心に流れたことに対し、稲村さんは事務所を通じて否定するにまで至りました。
多数の男が、肌の露出の多い女性を取り囲み、にじり寄り、飲み込むーー「まるでゾンビ映画のようだ」と評したSNSでの書き込みがありましたが、その通り、この映像は恐怖でしかあり……、いや、ちょっと待って。ゾンビ映画なんかよりも、もっと似ているものがあるはず……なんだっけ、なんだっけ……えーっと、ほらほら……ゾンビっていうか、ちんこという名のリモコンに操作されているようなこの動物的な動きはさ……と頭を悩ませているアナタの記憶、呼び起こしてみせましょう! そればズバリ、
『ドリームシャワー』(ワープエンタテインメント)
ではないですか!?
<1998年12月、ワープエンタテイメント創立時「単体女優にブッカケをする」という、当時のAV業界では考えられないコンセプトで誕生したドリームシャワーシリーズ>(公式HPより)
現在は「ドリシャッ!」とタイトルをマイナーチェンジしつつも、定期的にリリースされる超長寿ヒットシリーズは、AV女優さんに、汁男優と呼ばれる多数の男性が精子をぶっかけることがウリとなっています。
「ぶっかけ」は欧米でも日本のイチHENTAIジャンルとして認識されるほどの知名度を誇り、英語版ウィキペディアにも掲載されています。2004年11月発売の大塚愛のアルバム『LOVE JAM』のジャケットを見た欧米人が、「oh〜、BUKKAKE!」と興奮していたことを覚えている人も多いのではないでしょうか。
ドリシャがリリースされて以降、他メーカーもこぞってぶっかけモノに着手していた00年代初頭、わたしは某AV制作会社に勤務していました。
社内スタジオでぶっかけモノの撮影がある日は、出社するとすぐに分かります。悶々とした空気纏う男性たちが、ひとり、またひとりと、ひっそりと精巣たぎらせ会社に集まってくるからです。
男性たちを束ねるのは、汁親と呼ばれる汁男優の仕出し屋。そこで出欠を取ると、撮影までの間、それぞれが思い思いに過ごします。
ある者は携帯をいじり、ある者は読書をし、ある者は汁親におべっかを使い、ある者はわたしたち働く女性社員の横に来ておもむろにしこしこし始め、目が合うとニヤリと笑い、露出癖を満たしてゆきます。
そうして本番前。裸の女優さんを中心に、ズラリと汁が輪になります。みな、本番のスタートがかかるまで、しこしこスタンバイ。しゅっしゅっしゅっしゅっしゅという摩擦音が緊張感を煽ります。
だってぶっかけモノは、NG厳禁。一度、女優さんの顔や体、髪の毛に精子がかかってしまった上でNGとなったら、洗い、乾かし、ヘアメイクを直し、その間またしこしこスタンバイ……と、いくら時間があっても足りなくなってしまうからです。
そんなピリついた空気の中、いざ本番。ス勃ンバった汁から順に、じりじりと寄り、監督経由でADが「GO」の合図を出すのを確認すると、どぴゅ。終えるとADから「済み」のしるしである輪ゴムをもらい腕につけ、また輪に戻ります。
そうやって、ひとり、またひとりとじりじり寄り、どぴゅ、たまにじりじりと寄ったかと思うと「あっ、ちょ、タンマ」といった様子でス勃ンバり損ねた愚息を片手に、また輪に戻りしこしこし、監督が「チィィッ!」と舌打ちすることもあるのですが、基本的にはじりじりと寄り、どんどん輪が狭まくなってゆきます。
最終的に女優さんは、まさしく「シャワー」のごとく取り囲んだ多数の汁たちから精子を全身に浴びることになるのです。
悶々とした男たちに囲まれ欲望に飲まれるその画、稲村さんのそれと同じように見えるのは、わたしだけでしょうかーー。
ちなみに、演出上長時間洗い流すことができないぶっかけモノは、精子のアルカリ成分が作用して肌荒れなどを招きます。わたしは、眼球に付着し真っ赤に目が充血した女優さんが病院へ直行、そのまま撮影が中止になった現場に立ち会ったことがあります。
一方、すぐに洗い流せば石鹸効果を発揮するのか、「逆に綺麗になる。特にしみけんさんの精子はいい」といった感想を、元国民的アイドルAV女優さんから聞いたことがあります。ですがそれは、綺麗な精子を製造すべく、毎日ストイックに健康的な生活を送っているプロAV男優の精子だからなせる技。くれぐれも素人は、鵜呑みにしないでくださいね。同様に、くれぐれも素人は、気安くタレントに触れるなんて思わないでくださいね。(文◎春山有子)