金正恩訪中で中国のネット上では「豚」「おデブ」が検索NGワードに

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 朝鮮労働党の金正恩委員長が中国を電撃訪問したが、この期間中、中国のインターネット上では「朝鮮」という単語が検索できなくなっていたという。

 理由は何か。

 当初、金正恩の動向は一切伏せられ、帰国した後の28日の朝になって、中国と北朝鮮の国営メディアが一斉に金正恩が25〜28日にかけて中国を訪問し、首脳会談が開かれた事を公表した。

「中国に北朝鮮の特別列車が現れた! 乗っているのは金正恩ではないか!?」

 と最初にスクープしたのは日本国内の日本テレビだった。
 中国政府かいくら報道規制しても、中国の人々を目隠しをすることはできない。目撃された特別列車の写真を人々はSNS上に投稿した。
 つまり、こういった金正恩の動向に関する情報を遮断するのが中国政府の目的だったのだ。
 同時に中国では「おデブ」を意味する言葉にも検閲が入った。

<中南海にいったいどんなお偉いさんが来たんだよ。5歩、歩く度に武装警察がいる>

と、中国版twtterと呼ばれる微博(ウェイボー)に書かれると、

「三胖」「胖子」というリプライがついた。

 これは「3代目のおデブ」「おデブの子」という意味で、金正恩を揶揄するネットスラング。即座に排除された。
 ほかにも

<太った豚(肥猪)が北京に来た>

<デブ、デブ、デブ、北京>

<彼が来た>

 といった金正恩を示唆する文章はすべて削除された。

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 中国のネット上で金正恩を「おデブ」などと表現するようになったのは2010年。当時、金正日が訪中した際、金正恩を同行させたとされており、訪問先で2人を目撃した人々が「豚の親子が来た」などと、ネット上に投稿したのがはじまりとされている。

 金正恩の動向について情報を遮断するのは警備上の問題もあるだろうが、「豚」「おデブ」という単語が当局によって消されていることを本人が知っているとしたら、複雑な心境だろう。(文◎李ソヨン)