ついに「ママ活」で女性を募集した17歳男子高校生が補導! 警察の目は少女だけでなく少年まで監視

 警察の摘発にもトレンドがあって、そのトレンドを見ていると警察=お上がどこに、あるいはどういう理由で力を入れているかが、ある程度想像できる。
 12月7日の岐阜新聞Web版は、岐阜県警がツイッターを利用し女性にデートなどの対価として金銭を求める、いわゆる「ママ活」を行った17歳の男子高校生を補導したと報じた。県内では、これまで「パパ活」を行った少女を補導したことはあったが、少年の補導は初めてだという。

 実は岐阜県警でこそ初めてだが、11月には福岡県警が県内の男子高校生を補導しており、警察はこれまで「パパ活」など、成人男性に援助を求める少女たちのみが補導対象だったのを、少年にまで幅を広げているのだ。

 もっとも、一連の動きを見てもわかるように、当初は「ママ活」ではなく「パパ活」への補導に力を入れていたのは間違いない。それはここ数年、よくも悪くも「パパ活」という言葉がひとり歩きし、昨年には、トレンドをなぞることでも知られる著名脚本家によるインターネットドラマまで放映された、という社会状況があったからだろう。ところが、「パパ活」なるものの実態をどれほどの人が認知しているかと言えば、正直「?」マークがつく。そもそも、「パパ活」と「援助交際」の違いですら、曖昧と言えば曖昧であるからだ。

 というより、本当のところは、あるようで無いに等しいのでないか。いくら、「肉体関係はともなわない」「メンタル面での対価」と当事者たちが言っても、いわゆる「援交」との違いは、ほぼ言葉遊びレベルにまで垣根が低くなっている……それが現状だろう。

 この「パパ活」やそこから派生した「ママ活」を見ると、1990年代に流行した女子高生デートクラブや”プラトニック”を謳った同じく女子高生によるプラトニッククラブ(プラクラ)を思い浮かべてしまう。もっとも、そんなデートクラブやプラクラは、1997年に東京都で施行された、いわゆる「デートクラブ規制条例」をもって、星屑のごとく消え去ったのだが。

 このような、どこかで聞いたような”商売”である「パパ活」あるいは「ママ活」を警察が熱心に摘発(補導)し、それを警察と一心同体である記者クラブ所属の新聞が報じるということは、「デートクラブ規制条例」(正式には、「東京都テレフォンクラブ等及びデートクラブ営業の規制に関する条例」)同様、お上がなんらかの”網”をかけることを模索している、と筆者は考える。

 特に、岐阜県警がサイバーパトロールによって男子高校生を補導したことを鑑みて、サイバー空間での規制……具体的に言えば、なんらかの形で「マッチングアプリ」に手を付けたい、と思っているのではないか。実際、マッチングアプリなくして、少女少年が安易に「パパ活」「ママ活」を行うことは難しいだろう。さらに言えば、青少年保護という一転突破で、ネット規制の強化が図られる可能性も無きにしも非ずだ。穿ってみれば「ママ活」の摘発には、そんなお上の思惑も透けてみえるのだ。(取材・文◎鈴木光司)