松本人志にめちゃくちゃウケた三又又三の秘芸 『水道橋博士×町山智浩 がメッタ斬りトーク』(2)

町山:博士が文藝春秋に呼ばれて、最初にミッションを命じられて芸能界の調査に行く、という流れになってて、この設定が徹底的に凝ってるんだけれど、それでも三又又三のくだらなさには勝てないよね。(本を捲りながら)これが笑ったんだ。エア・セックス……言っちゃうけど、三又さんが、エア・セックスをみんなの前でやらなきゃいけなくなってね。

博士:松本(人志)さんの前でね。

町山:それで、イク時に、なぜか三又さんが、「調子悪りぃ」って言うんですって。
で、「調子悪りぃって何?」って聞いたら、

「あっすみません。エア・セックスとはいえ、完全に入り込んで、自分がセックスする気になっちゃったんで、いつも言ってる調子悪りぃが出ちゃったんです」

「どうしていつも調子悪いって言ってるの」

「早漏気味なんでいつも調子悪いって言い訳してるから」

 って。つまり三又さんは、狙って言ったわけじゃない。いつも言ってるから、エア・セックスしたら思わずいつもの言い訳が出たっていう(笑)。

博士:杉作J太郎さんもエア・セックスの大家で、何回か大会で優勝してるんですけど、三又は、杉作J太郎さんとかも知らないから、『あまちゃん』に出演するのに、脚本家の宮藤官九郎ですら、まるで知らないっていうね。

町山:彼、全然、自意識がない。

博士:いや、自意識が自分にしか向かってない。どこまでも、うぬぼれ鏡でしかない。

町山:で、ダウンタウンの松本さんに、めちゃくちゃ、受けた三又さんの芸というか……(笑)。言っていいのかな?

博士:ええ、ええ。どうぞ。

町山:話しにくいね、これね。

博士:いいですよ、言って言って。

町山:三又さんのタマキンをゴムに結び付けて、ゴムを引っぱって、ドアのノブにつけて、料亭でそのまま仲居さんを呼ぶと、仲居さんが知らずにドアを引き開けるから、タマキンがぎゅーーーーーっと引っぱられて(笑)。それ芸なのか! 芸って違う方の、ゲイじゃないの!(笑)

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博士:ちなみに三又には「ゲイ」疑惑もあるんです。それは「1」で書いています。この話を聞いたとき、日テレの『ナカイの窓』に一緒に出たときに楽屋で聞いたんだけど、本当にひっくりかえって笑いましたもん。このキンタマ引っ張るだけの隠し芸が、毎年松本人志さんの忘年会で、5年連続行われてるっていう。しかも、宮川大輔がコンビになっていて、SMの関係で、大輔は三又又三のキンタマを引っぱる役っていうだけの芸なんです。

町山:で、宮川さんが三又さんに「お願いしますから今年も引っぱらせてください」って頼むという(笑)。なにこのバカな世界。

博士:それで、だんだんエスカレートしていって、キンタマ引っ張るだけなのに『必殺』みたいな複雑な仕掛けになっていくから。

町山:そうそう。ピタゴラスイッチみたいな複雑な仕掛けになって、誰がひっぱるかって(笑)。

博士:連載のときは、これは明らかに世間では通用しない芸人だけの世界の「パワハラ」を笑いにしたものだから、連載で松本さんに迷惑かかったら申し訳ないので、結構ぼやかして書いたんですよ。
だけどこれは本当に三又に聞いた話を全部テープに録ってるから。本当に行われた話ですから。もう、書いていても、俺、爆笑しながら……(笑)。

町山:で、当然、伸ばされ続けたキンタマがボロボロになって病院に行くんですけど、医者が不思議がって、「どんなプレイをしたんですか」って(笑)。

博士:流石に、三又又三も正月から医者や看護婦の前でそのプレイを説明できない。だって、複雑すぎるでしょ。仕掛けが(笑)。しかも、まともな人間のやることじゃないよ(笑)

町山:これには一生懸命作りこんだ文章も勝てないよね。

博士:いや~でも、この話を聴いた時は、スクープだって興奮したの。だから三又は1作目も出てるけど2作目もこれだけ出てるのに、その後、借金事件とか起こして、松本さんから絶縁されているし、もしかしたら本でもカットになるかなって。松本人志さんをしくじってるっていうのは、我々の一門からすると大変良くないことなんですよ。特にお金のトラブルはね。それをオープンに出来るか出来ないかっていうのは、これ本に残るか残らないかっていう、ギリギリのところでしたよ。