いま午前中のラブホテルには「あの人たち」でいっぱい!? 子どもには聞かせられない性の話
世界に先駆けて、超高齢化社会へと突入する日本だけに、メディアも高齢者関連の特集や記事が目立つ。なかでも、今後も主たる”顧客”となるであろう、高齢者目線の記事が多く、そのなかでも「健康モノ」と並んで人気があるのが「セックスモノ」である。
爺さん婆さんに性欲などないだろう、と若年層は思うかもしれないが、驚いたことにこれらの特集を組むと驚くほどの反響があるのだ。以前、ある週刊誌の編集者に聞いたのだが、「裏モノをネットで見られる方法を特集すると、びっくりするくらいの反応がある」という。裏モノを見る方法というのは、主にXビデオなどのまとめサイトにupされた作品を紹介すること。
そのまま、裏モノが見られる!と銘打つと問題があるので、あくまで「こんなサイトがありました。驚きますね」という体の記事となる。ネットには抵抗がある(疎い)高齢層にしてみれば、これらの記事はエロ欲求を満たしてくれる水先案内人であり、なかには「どうすれば見られるのですか?」と問い合わせをしてくることもあるそうだ。
もっとも、その後、ついエロ広告を踏んでしまい、ワンクリック詐欺にあってしまうケースも無きにしも非ずかもしれないが……。
このように、高齢者に向けて性を特集するのは、目玉となるものであり、各誌(各紙)は競ってセックスにかかわる事象をずいぶん前から取り上げるようになった。この傾向はとかく下世話とも言われる週刊誌だけの話ではない。お堅いビジネス誌というイメージがある『プレジデント』のオンラインは7月14日(雑誌では4月号掲載)、「熟年カップルの”ラブホ利用”が増えている 朝時間帯の30~40%は高齢者の利用者」という記事をアップしている。年金支給日には高齢者が訪れたり、80歳以上の高齢者もいること、ラブホ側もそれに合わせてベッドを低くしている……等、確かに興味深い話ではあった。
実際問題として、歌舞伎町等を定点観測しいてる筆者も、ラブホ街で高齢者とまではいかなくとも、熟年層のカップルが連れ立ってラブホテルに入っていくところを度々、目撃する。また、明らかにデリヘル嬢(援デリかもしれないが)と思わしき若い女性と連れ立って初老の男性が出てくる場面にも遭遇する。確かに、熟年層、それ以上の高齢層がかつてよりラブホテルを利用してるのだ。
思えば、ちょっと前に新宿ゴールデン街からラブホ街に不倫相手としけこんだとして、非難を受けた女優の高橋由美子も立派な熟年層である。もっとも、消費が低迷している現在の日本で、これら比較的余裕がある層がエロ目的とは言え、金を落とすことは悪いことであるまい。エロ化する高齢者も、それはそれで「生産性」がある、ということか。(取材・文◎鈴木光司)