いまだ続く飲食店の悲鳴 再三のバッシングを受けた新宿・歌舞伎町に人は戻って来るのか

ゲーム「龍が如く」のモデルとなった歌舞伎町一番街では、大手牛丼チェーン店と著名な回転寿司店が閉店した。双方とも長く営業してきた店で、どちらもコロナウィルスの影響で……とは明言していないが、街の人間は「やはり、コロナで」と推測している。また、同じ一番街では新宿地区では知られた焼肉店も閉店の憂き目にあっている。

一番街は実質的に、歌舞伎町のメインストリートであり最も混雑する場所のひとつだ。そこで長年営業していたチェーン店が撤退したことは、いかにコロナ禍が繁華街にとって致命的だったかの証左とも言えるのではないか。

もちろん、チェーン店以外もコロナ禍に大苦戦している。歌舞伎町では知らない人はいないという、某飲食店も現在の客足は「(コロナ以前の)半分か3分の1くらい」と嘆く。それらの店の多くは消毒液を店頭におき、ソーシャルディスタンス的にも密を避け、換気もしているが、それでも一度植え付けられた“恐怖”はそう簡単には取り除くことが出来ないのだ。

そしてその恐怖からくる行動は、テレビなどのマスコミ報道により、「普通の人」たちが(控えめにいって)やや過剰な警戒感持って街に寄り付かなくなったことで増幅される。

実際、客足が半分以下になったという飲食店のスタッフによると、現在はいわゆる常連客だけで店を回しているような状態になっているという。区役所通りにある別の人気飲食店の経営者は「最近よく来てくれるのは、常連さんとホストだけだよ」とやや自嘲的に話した。

経営者がなぜ自嘲的かと言うと、コロナ禍でこの経営者自身が、「(自分たちは)密を避け消毒もし、真面目にやっているのに……」とホストの奔放な行動に批判的な目を向けていたからである。その気持ちはよくわかるのだ。

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