戦後最凶クラスの「おせんころがし殺人事件」現場で見た闇 千葉県鴨川市

 ここ1、2年、連続殺人事件や猟奇殺人事件が目立ちます。相模原障害者施設殺人事件、座間猟奇殺人事件、富岡八幡宮事件など挙げたらきりがありません。しかし。戦後から昭和半ばにかけての殺人事件もおぞましいものがあります。小平義雄、大久保清、勝田清孝などなど。

 その中に「おせんころがし殺人事件」があります。現場は千葉県鴨川市(旧小湊町)。犯人は栗田源蔵(元死刑囚。1959年死刑執行)。殺害した人数は8人という、極悪非道と言われた男です。

 1951年、母子4名を乱暴目的で襲います。まだ幼い長男、長女、次女を「おせんころがし」と言われている断崖から投げ落とします。その後、栗田はその主婦を強姦。次女ごと、またも「おせんころがし」から投げ落としました。
 そして「おせんころがし」の途中で引っかかって生きていた母子を崖まで降りていき、殺害します。長女は軽症で済み、崖に隠れていた為助かった事件です。

「おせんころがし」という名前の由来は、江戸時代、「おせん」という女性がこの崖から身投げしたからです。

 この現場にDVD取材のため行ってみました。しかも夜。房総半島にはかなり、心霊スポットがありますが「おせんころがし」も心霊スポットになっていると言います。

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 行川アイランドという遊園地がありました。鴨川シーワールドに取って替わられ、現在は廃墟と化しています。ここに「行川アイランド駅」あり、そこが最寄駅だったようです。

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 車で行川アイランド跡に行き、そこからは徒歩でしか辿りつけないようです。
 写真で分かる通り、辺りは真っ暗です。ライトが命綱みたいなものです。すると塔が……。これは「おせん」さんを慰霊する為の石塔だと思われます。

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 そこで手を合わせます。前を見ると真っ暗。かろうじて海である事が分かります。柵がありますが、ここを乗り越えたら「おせんころがし」の断崖絶壁です。とてもではないですが、足を踏み入れる事は出来ませんでしたので、手前から写真を撮りました。

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 ここから落とされた「おせんころがし殺人事件」の被害者の恐怖たるや、想像も出来ません。現実にあった事件だと思うと背筋がぞっとします。人間とは、かくも残酷に、狂気になれるものなのか。
 相模原施設殺人事件、座間猟奇殺人事件、富岡八幡殺人事件……。二度とこのような悲劇を起こしてはいけないよう、事件を風化させない事が必要なのではないでしょうか。(文・写真◎久田将義)

※動画はこちらに収録されています。
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