「ネットウヨク論」第5回:インターネットで情報収集する際の基礎知識「できる限り感情を捨てて情報に接しよう 」

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「4・できる限り感情を捨てて情報に接しよう 」 

これまでに挙げた注意点である [1 答えの決め打ちをしない] [2 ネットの情報を鵜呑みにしない] [3 自己洗脳に陥らないよう注意する] といった項目に対して、「そんなの理想論だ!机上の空論だ!」と感じた方はいないだろうか?

確かに言うのは易しという面はあるのだが、ただひとつの事が出来れば無理な話ではない。すべては「できる限り感情を捨てて情報に接する」もしくは「感情を捨てる努力」が出来るか否かだ。

例えば、Twitterなどで自分が快く思ってない人間が何事か発言していたとする。この時に最も無難な反応は”スルー(無視)”である。自分が直接因縁を付けられているのでもない限り、快く思わない相手に一々反応を返す必要なんかない。ところが、感情任せな短絡バカは後先考えずに”逆張り”をしようと考えてしまう。相手が黒と主張していたら、とりあえず白だと言ってみる。そして白だと言った後にどうして白なのかと理屈を考えようとする。これでは手順として全く逆である。

普通は『相手が黒だと言っている。しかし自分にはそれは黒ではなく白だという確固たる根拠がある。だからそれを相手に伝える。』というのが当たり前なのだが、感情が優先してしまうと「とにかくそいつに文句を言いたい!否定したい!石を投げ付けたい!」という欲求が先に来てしまい、加えてTwitterの「脳みそを動かさずに脊髄反射的に言葉が書き込める」という特徴が災いして、「ヤーイヤーイバーカバーカ」という便所の落書きがインターネット上に記されてしまうのだ。これでは大嫌いなアイツに1往復で論破されて赤っ恥をかくのが関の山である。落ち着こう。エンターキーを押す前にちょっと落ち着こう。

これが仮に「議論に勝つ方法」とかいうレクチャーであれば、「相手を論破するには~」をテーマに一説ぶつところだが、今回のテーマは「感情を捨てて情報に接しましょう」である。したがって、ここでは「恥ずかしいから感情剥き出しでネットやるなよ」であるとか「物事の白黒を見極めるのにお前のクソどうでもいい私情なんか無関係なんだよ」と言わざるを得ない。相手が気に入らないならば、そんな相手の発言が目に入るようにしておく方が悪い。前回の「自分の好きな情報にだけ触れていてはいけない」という発言と反するようだが、感情を抑えられずに凡ミスをするくらいならば、自分の感情を逆撫でる相手は遮断すべきだ。リスクを考えたらそちらの方がいくらかマシである。

もうひとつ例を出してみよう。とある在日朝鮮人が何か事件を起こしたとして逮捕されたとしよう。そのニュースが流れた際に、ネット上では「それ見たことか!だから朝鮮人は!」という意見が多数を占めると思う。ところが、数日経って冤罪だったという情報が流れてきたとする。その際にネトウヨと呼ばれる人種はまず真っ先に”陰謀論”を唱えるだろう。総連だの民団だの朝鮮工作機関に圧力をかけられたうんぬんかんぬんと。だがしかし、警察が冤罪を認めたのであればそれは冤罪である。ただでさえ冤罪を認めない事に定評のある警察が冤罪だと言うなら、それは素直に冤罪なんだと思うべきなのだが、ここで「でもオレは朝鮮人が嫌いなんだもん!」という感情を抑えられないバカが道を踏み外す。繰り返し何度でも言うが「情報に対してお前の私情を持ち込むな」である。

逮捕者が続出しているネトウヨ団体の構成員達は、致命的なまでにこれが出来ない。だから考えられないようなミスをして、現実社会で無実・潔白とされている人間に「お前は黒だ!犯罪者だ!」と石を投げ付けた挙句に名誉毀損で有罪判決を受けたり、賠償金の支払いを命じられて昨日までの仲間と骨肉の争い(支払額の内訳で揉める)を繰り広げたりするのである。(実話)

少なくとも、情報に対して感情を捨てて「本当のところはどうなんだろう?」と考える事ができていれば、裁判で失った何十万円かのお金は連中の手元に残っていただろう。仲間からかき集めたカンパ金で”敵の懐を潤す”とは、いったいどういうプレイなのだろうか?ネトウヨ界隈には、アングラやセックスマイノリティの世界の知識をそれなりに持っている私でも知らないコアな羞恥プレイが存在しているらしい。

このような狂信的なネトウヨ団体を例に出すまでもなく、感情は目を曇らせるものだという事は絶対に頭の片隅に入れておかねばならない。貴方の大嫌いな人間が真っ当な意見を述べる事もあるし、逆に貴方の大好きな人間が大間違いを犯す事だってある。それを冷静に見極めて、常に無難な(完璧なとは言わない)対応が取れるように心がけておこう。そうすれば容易く確証バイアスに陥ったり、偏った情報を鵜呑みにして自己洗脳してしまうといった危険は回避できる。少なくとも「そうあろう」と努力する気持ちがあるだけで、インターネットの安全性は格段に増すのだ。

で、話はちょっと変わるけどさ~、これが恥ずかしくもプロを名乗る記者にもできねえのよ、ぶっちゃけ。特に週刊誌ね。アイツらマジ終わってる。こっちが何かネタを持ち込んでも「それって誰か芸能人が絡みませんか?」とか「関東連合と繋がりませんか?」とか言うの。お前はバカかとアホかと。この世の事件の全てに芸能人や関東連合が関わってるとでも思ってるのか?それじゃ何か?板橋区のオレの自宅の目の前を全身刺青だらけの半裸の男が牛刀振り回して暴れてた(超実話)なんて事件も関東連合のせいなのか?芸能人や関東連合って言えば数字取れると思っちゃってるんだろうけど、最初からネタを決め打ちするってどうなのよ?全然関東連合と関係ない話題だって言ってんのにデスク判断で文末や文中に「関係が疑われる」の一言を無理やり付け足そうとすんの。なんなの?死にたいの?思い起こせばライブドア事件の時もそうだよ。こっちは文字通り命がけであっちゃこっちゃ情報取りに動き回ってて、その成果を週刊誌やTVに持ち込んでたわけよ。そしたらこっちが超重要と判断した情報が相手方からすると地味だったらしくスルーされて、代わりに超どうでもいい「ホリエモンがパラパラ踊ってる動画」とかにTV(しかも報道局)が食い付いてくるの。おまけに「こういうのもっとありませんか?」とか言われちゃうの。お前らさ、ライブドア事件の事の重大さが未だに解ってねえだろ?昭和の時代からしぶとく生き残ってる魑魅魍魎みたいなマネロン一味がいて、それに加えて別ルートから発生したIT詐欺からマネロンに鞍替えしたような連中がいて、それらを快く思ってない元総会屋一派もいて、それらが一堂に会した何十年に一度の大事件だぞあれ!?正直ホリエモンなんてスケープゴートにされただけで巨悪は他にいたんだっつうの。それなのにその手の情報は「地味」だの「有名な人間がいない」だの意味の解らない理由で無視しやがって、全力で食い付いて来たのがホリエモンのパラパラや、ホリエモンがキャバクラで赤ら顔でお姉ちゃんの肩を抱いてる写真か。お前らにとって大事なのはそこなのか。アイツらマジ爆発しろ。渋谷~六本木界隈と海っペリの埋立地一帯にテポドン落ちろ。

と、感情を捨てないとこのように恥ずかしい文面になってしまうので、みんなも人目につく場所ではなるべく心穏やかに立ち振る舞うように気を付けましょうね。

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Written Photo by 荒井禎雄

 

SAPIO (サピオ) 2012年 8/29号 [雑誌]

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