調べるほど好きになる男、ASKA 『ほぼ日刊 吉田豪』連載52
ASKAについて調べていると、どんどんASKAのことが大好きになっていくから困る。たとえばチャゲ&飛鳥『時計まわりの青春』(83年/集英社)という本で、飛鳥はこう言っていた。「尊敬しているのが、王貞治である。あの人の物事に対する一途な気持ち、すごいと思うよ。『王貞治物語』とか読むと、天性で持ってるものじゃないとこで頑張ってくれた人だから。もう一人尊敬しているのが、アントニオ猪木。笑わないでくれ、本気だよ」って、尊敬する人もボクと完全に被ってるわけですよ! そして、「飛鳥はデビュー当時は石野真子が好きだったはずなのに、今は河合奈保子推しになってる! チャゲは松田聖子が好きみたいですけど、どうして男はそうやって好きな人がコロコロ変わるんですか?」とファンの女の子に推し変を責められると、飛鳥は力強くこう答えていた。「オレは松田聖子の魅力がわからない。河合奈保子の方がいいと思わん? あの胸、最高!」と。馬鹿だ! でも、なんか男としてすごい信用できる! そして、松田聖子の魅力として「あの子はね、石けんのにおいがする」と答えるチャゲの説得力のなさも異常! あとこれ、松田聖子は関係ないですけど、ソープ嬢疑惑のあるアイドルには言ったら絶対にいけない褒め言葉なので要注意!
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Written by 吉田豪
Photo by 僕にできること いま歌うシリーズ
魅力あふれる漢。