木嶋佳苗が獄中ブログで告白「私がドキドキしちゃうジャーナリスト」『ほぼ日刊 吉田豪』連載123
木嶋佳苗が今年からブログを始めていたんですけど、そのきっかけがあのジャーナリストだったことに衝撃を受けました。なにしろ初日の書き出しが、「私は常々、嫉妬心が欠けている人間だと思ってきた。誰のことも、羨ましいと思うことなく生きてきた。その私が、ある女性に嫉妬した。 上田美由紀さんという人に」ということで、『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』(13年/講談社)という本の「著者の名前を見て驚いた。青木理。私の事件を取材してくれていたら・・・と思い続けた。ジャーナリストの名前だった。彼は、私より上田さんを選んだのか。ショックだった」と、いきなり青木理さんの名前が飛び出すわけですよ! さらに「私は個人的に青木さんの髪が好き。ほんの少し白髪混じりで長めのサラサラした真っすぐな髪が、とても似合ってる。長身痩躯のあのルックスで取材に来られたら、ドキドキしちゃうだろうなぁ」「品のある優しさと、間合いや勘の良さを感じさせる繊細な筆致も彼の魅力。私はかなりの本読みであるけれど、『誘蛾灯』は、39年の人生でノンフィクション部門ナンバーワンの1冊」と、ルックスも筆力も大絶賛! そして、「私は彼女を大馬鹿だと思った。腹立たしくもあった。彼女は、自分が青木さんに選ばれた僥倖をわかっていないのだ。私の事件や裁判を報道したのが、無能なフリーライターばかりだった無念も、彼女にはわからないだろう。そう思ったら、泣けてきた」と、やがて木嶋佳苗本を出した2人の大物への批判もスタート。『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』(12年/朝日新聞出版) の北原みのりについては、「私に関して事実ではないことを吹聴し続けている、アダルトグッツショップを経営する女性ライターに対し、民事訴訟を起こす準備」をしているぐらい怒っていて、「彼女の取材能力は限りなくゼロに近いので、ルポルタージュを書けるライターじゃないですよ」「木っ端ライター」とバッサリ斬り捨て! 『別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁』(12年/講談社)についても、「私は、佐野さんには感謝しています。ジャーナリストとして活躍する取材記者を何人も使って、著名なノンフィクション作家が、私についてあの程度の本しか書なかったことは、自叙伝を執筆する時の励みになりました」と嫌味を披露した上で、「彼は、12年に橋下徹大阪市長の人物論を書き、血脈思想、差別主義、人権問題で批判を浴び、その直後に、長年にわたって他人の著作からの盗用をしてきた剽窃問題のダブルパンチで休筆に追い込まれ、生ける屍となった」とまで言い切ってて、そんな彼女もメロメロにする青木理さんのジゴロっぷりに敬服させられました。ここまで言われたら木嶋佳苗を直接取材するしかないですね!(他人事)
【前回記事】
問題発言の森元首相が「議員最後の日」に見せた素顔…『ほぼ日刊 吉田豪』連載122
Written by 吉田豪
Photo by 誘蛾灯/青木理
毒婦の一刀両断。