怒りの反論、小保方さんは逆ギレ・佐村河内体質か? by 久田将義

Photo by 理研公式ホームページより

 

 偽ベートーベンこと、佐村河内守氏のゴーストライター問題と並行して、小保方晴子さんのSTAP細胞ねつ造疑惑がいまだ炎上中だ。その後、正式なコメントらしいコメントを出していない小保方さんだが、とうとう調査報告書に対して反論した。

その内容は、「調査報告書には到底納得できない」というもので、憤りという単語を使用していることから、最終的には名誉棄損での裁判も持さないのではないかと思われるほどの内容だった。

文系、理系の問題ではないという人もいるが、やはり専門分野の人の解説がないとこの問題の根本は解けないだろう。似たようなケースでは以前、毎日新聞がスクープした「神の手」と呼ばれた考古学者・藤村新一氏を想起させる。世紀の大発掘を繰り返す藤村氏に対して、毎日新聞が張り込み取材を続けた結果、ねつ造である証拠写真を掲載した事件だ。

世紀のねつ造はたまに起きる。佐野眞一氏の剽窃・盗作問題も似たようなケースになる。また近年では、週刊新潮が報じた「赤報隊事件の犯人は私だ」というものもあった。こういった文系モノは、比較的マスコミも追いやすいし、佐村河内氏の場合は当の新垣さんが「私がゴーストライターでした」と名乗り出たのも分かりやすかった。だが、今回は完璧に専門分野の問題であり、精査した結果を見てメディアは正否を論じるほかない(新聞社の科学部などには専門知識のある記者がいるが)。

小保方さんの反論を見て感じたのは、「理研は焦ったのではないか」という疑問だ。当初、STAP細胞研究は、「ノーベル賞確実」だと報道された。理研側も当然、それを期待しただろうし、それが「割烹着を着たリケジョ」という売り出し方につながっていったのは明白だ。

しかし、今回は、ねつ造かどうかはさておき、さすがに「ボロだらけ、疑問点だらけ」の論文に対し理研側はおじけずいたのではないか。小保方さんとしては、「確かに私にもミスはあったけど、アンタたち(理研)の対応もどうなのよ!」という思いがにじみ出る。

だからといって、この事態を招いたのは、ほかでもない小保方さん自身だ。自業自得による結果としか言えず、残念ながら下を向いて生きていくしかないだろう。藤村新一氏のように。

ひとつ気になったのは反論の激烈な表現だ。ああした文字面を見ると、何かとひとくくりにして語られることも多い、佐村河内氏のような「逆ギレ体質」なのかと感じた。いっそのこと、法廷で片を付けた方がいいのでは、と文系の僕は思うのである。

Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)

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