反レイシズム団体のダメさ加減が在特会、ネトウヨを生き返らせている!?
5月25日、埼玉県川口市で移民受け入れに反対するデモが行われた。このデモの主催者は、在特会らのいわゆる「行動する保守」を名乗る一派で、当日はこれに反対すべく反レイシズムを掲げる団体のメンバーも集まっていた。
そこで、デモ参加者と反レイシズム派との間にケンカ騒ぎが起き、双方に逮捕者が出る騒ぎとなった。
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『差別的デモで2人逮捕 対立グループ同士がけんか 埼玉県警』
(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140526/crm14052619000026-n1.htm)
埼玉県警は26日、川口市で25日に行われた移民受け入れ反対を訴えるデモの参加者と、反対グループ関係者の間でけんかがあり、暴行の疑いで東京都板橋区の会社員、内田伊織(42)、茨城県坂東市の会社員、松本英一(38)の両容疑者を現行犯逮捕したと明らかにした。
県警によると、内田容疑者は在日韓国・朝鮮人の排斥を掲げる「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の一員、松本容疑者は反対する「男組」のメンバーだと、それぞれ説明しているという。
(MSN産経ニュースより引用 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140526/crm14052619000026-n1.htm)
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42才と38才がいったい何をやっているのかと呆れるばかりだが、このニュースに関してはどっちもどっちとは言い難い。どちらかと言えば、この件に限って言えばよりマズイのは 「反レイシズム」 を掲げている団体の方であろう。
なぜかといえば、いくらアホの子の代名詞であり、活動の成果といえば朝鮮学校に1,000万円を超える賠償金を支払うハメになったこと程度の在特会一味とはいえ、デモをやる際には許可を取った上で行っている。だからこそ毎度毎度機動隊が張り付いている訳だが、それに対して反レイシズム屋の皆さんはどうだろうか?
この件では、許可を得た上で行われるデモに参加した人間が、愚連隊に襲われて大怪我をさせられたという受け取り方が最も冷静かつ公正なのである。どうしてそうなるかは、以下のソースをご確認いただきたい。
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『ヘイトスピーチ:埼玉でデモ もみ合いで2人に暴行容疑』
ヘイトスピーチ(憎悪表現)のデモを巡る衝突で、埼玉県警警備課は26日、反対していた茨城県坂東市の会社員、松本英一容疑者(38)と、デモに参加しようとした東京都板橋区の会社員、内田伊織容疑者(42)を、共に暴行容疑で現行犯逮捕したと発表した。いずれも傷害容疑に切り替えて送検する方針。
松本容疑者の逮捕容疑は25日午後1時15分ごろ、埼玉県川口市のJR西川口駅改札前で、内田容疑者の顔を殴るなどして右目周辺の骨を折る重傷を負わせたとしている。内田容疑者は、松本容疑者の腕に擦り傷を負わせたとしている。
同課によると、25日午後2時半から西川口駅前で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」による外国人排斥を扇動するデモがあり、デモに向かう内田容疑者を松本容疑者らのグループ約10人が制止しようとしてもみ合いになったという。
(毎日新聞WEBより引用 http://mainichi.jp/select/news/20140527k0000m040057000c.html )
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ネトウヨ的だなんだと言われている産経よりも、売国だなんだと言われている毎日の方がキツイことを書いているという不思議さには触れないでおくとして、注目すべきは以下の部分である。
「デモに向かう内田容疑者を松本容疑者らのグループ約10人が制止しようとしてもみ合いになった」
結果的には、双方が傷害容疑で逮捕されるという展開にはなったが、最終的には罪の重さに差が出るだろう。どう考えても10人がかりで相手を顔面骨折させた方がより重い罪に問われなければおかしい。
つい先日、反レイシズムを謳う団体の元代表者が生活保護の不正受給で逮捕されたばかりだというのに、反レイシズム屋の皆さんはいったい何がしたいのだろうか? まともな知性があるならば、ほとぼりが冷めるまで荒っぽい言動は慎もうとは考えられないのだろうか?
■参考リンク 『反レイシズム団体元代表が生活保護不正受給で逮捕』
反レイシズム運動も、最初期の段階は「平和的に大久保の沿道でプラカードを掲げて反対の意思を表明する」という内容だった。しかし、当時は在特会らが大久保の街の一般市民や商店への迷惑行為を働いていたため、連中を止めるためのより即効性のある “暴力” が必要とされた。その結果結成されたのが、便宜上プラカード隊とは別組織ということになっている”しばき隊”である。
ところが、このしばき隊とプラカード隊の分離はまったく上手くいかず、あっという間に「どっちも同じ組織」という見られ方をされてしまった。それもそのはずで、双方の運動の中心にいる人間が同じであり、Twitterなどで活動内容の区別なく”自尊心優先で手柄アピールしてしまった”ため、ハナから「同じチームじゃん」としか見て貰えなかったのだ。
本来はプラカ隊のような平和的な反対運動が前面に出て、”必要悪”であるしばき隊のメンバーは何があっても表には出て来るべきではなかったのだが、しばき隊の方法論に批判の声を挙げると、プラカ隊の方からも投石攻撃されるという状況になってしまい、この分離策はまったくもって意味のないものと化した。
おまけに警察を焚きつける意味もあったのか、しばき隊には暴力団に籍を置く者や、準暴力団に指定されている団体も引き入れ、客観的に見て「在特会とは比べ物にならないほど世間に忌み嫌われるアウトロー」が徒党を組んでいるとしか思えぬ状況になってしまったのだ。
こうした愚策に次ぐ愚策を「反差別なんだから仕方ない」と自己弁護し続けた結果が今である。今回在特会のデモ参加者を骨折させた人間達は、悪びれる事もなくこう言うだろう。「反差別なんだから仕方ない」と。 様々な運動の失敗フラグである “カルト化” や”原理主義者化”が、ここまで早く進んだ例も珍しい。
さて、もし私が在特会らの中心にいたとすれば、この事件を例に出してこう煽るだろう。
「先日の生活保護の不正受給事件で明らかになったように、反レイシズム団体は在日朝鮮人による売国組織だ! 今回の事件のように在日朝鮮人は徒党を組んで我々日本人を襲ってくる! したがって我々はもっと強く在日朝鮮人の排除を訴えていかねばならない!」
仮にネトウヨ団体らがこのような主張をした場合に、反レイシズム屋達はどのような文言で自身を正当化するのだろうか? さらにネトウヨ団体の一部の過激派が在日朝鮮人を襲うような方向に進んだとして、その背中を押したのは誰という事になるのだろう?
何度も何度も何度も何度も申し上げているように、こうまで反レイシズム側にとってマイナスの情報が増えてしまうと、在特会らの言い分に一定の正当性を与えてしまう。現時点で社会にとってどちらがより”悪”かと言えば、現時点では残念ながら反レイシズムを謳う側であろう。もしかすると、反レイシズム運動のダメダメさに憤って、在特会らに参加する人間が現れるかもしれない。
反レイシズム運動の中枢にいる人間らに言っておくが、お前達がしゃしゃり出て来た時には、すでに在特会らは追い込まれていて、動員力も何もかも落ち込んでいたのだ。それを周回遅れの後乗りの分際で引っ掻き回し、勝手に敵を増やし、落ち目になったはずの在特会らに息を吹き返させるとは何事か?
先に述べたように、在特会らはきちんと許可を得た上でデモを行っている。デモの自由・結社の自由が認められている国なのだから仕方ない。それに反対したいのであれば、まずは法律や憲法の改正を訴えていくべきである。ヘイトスピーチを違法という事にしたいのなら、政治家に働きかけるといった行動を優先すべきで、その間は今回のような事件は一切起こすべきではない。それが法治国家のルールなのではないか?
社会のルールより優先すべき事があるというならば、そいつらはどんな御大層なお題目を掲げたとしてもアウトローであるし、暴力も厭わずというならば単なる愚連隊である。そんな連中が目立てば目立つほど”反レイシズム”という文言が愚連隊の合言葉かのように堕ちていくのだ。
Written by 荒井禎雄
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