IOCが「開会式縮小」に反対する理由…東京五輪の「本当の主役」は米テレビ局

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は24日、国内スポンサー全68社と、契約を1年延長することで合意したと発表した。もともと各社とのスポンサー契約は今月末で終了予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月に大会延期が決定されて以降、組織委は総力を挙げて契約延長の取りまとめに動いていた。

中止より「失敗」が怖い

何しろ国内スポンサーの中にはJTBや全日空、日本航空など、新型コロナの直撃を受け経営が大きく悪化した企業もある。一部の離脱もやむを得ないと見られていたが、組織委はどうにか五輪開催への「気運」を維持した。

しかし、東京五輪が予定通り来年7月に開催できるかは、なおも不透明なのが本当のところだ。開催を実現するために越えねばならないハードルが、これからいくつもやってくる。

(参考記事:「彼らにとってはパリ五輪が本番なんです」 IOCが来年の“東京開催”に執着する理由 “無観客”なら900億円の損失

まず注目されるのが、米放送大手・NBCの動向だ。国際オリンピック委員会(IOC)の最大の収入源が、米国のテレビ放映権料であることは良く知られている。NBCは夏冬4大会分の放映権を44億ドル(約4550億円)で獲得しており、東京がその最後の大会となる。東京五輪の大会関係者によれば、「NBCは五輪が中止された場合に備えて保険に加入しており、万が一、東京が中止になっても損失を被ることはない」という。そのため、「同社が恐れるのは中止ではなく、失敗」なのだという。