【ホモセクハラ裁判】伝説の音楽プロデューサーとデヴィ夫人の壮烈バトルを発掘|ほぼ週刊吉田豪

 能年玲奈の「のん」改名後初インタビューで話題となった先週の『フライデー』に、ひっそりと気になるスクープ記事が掲載されてました。表紙にも出ていなかったから知らない人も多いと思うんですけど、その記事のタイトルは「伝説の音楽プロデューサーが巻き込まれた『セクハラ裁判』の行方」。

 今回、何が気になるって、セクハラで訴えられているその「伝説の音楽プロデューサー」というのが山口百恵を”生みの親”こと酒井政利(80歳)で、セクハラ被害を訴えているのが、やなせひろみというデビュー前の26歳の演歌歌手で、本名は瀬戸龍彦。つまり、性別的には男だということ!

 つまり、酒井政利がデビュー前の男性演歌歌手の携帯の番号を聞き出すなり、「君は、感度はいいほう?」「社長には絶対内緒だよ」などと言い寄り、自分がプロデュースする上で「僕と君は好きになっていって、精神的にも肉体的にも愛し合っていかなきゃいけないんですよ」と説得。後日、男性演歌歌手をホテルに呼び出すと「じゃあ、キスしよう」と迫り、意識が朦朧とするような何かが入った飲み物を飲ませてきたから逃げ出して、それで1100万円の損害賠償を請求されているという、完全なホモセクハラ裁判だったわけですよ!

 この件に関して酒井政利は「事実無根」「最初から私はハメられていた」「99・9%ウソです」と反論。確かに損害賠償請求も高額すぎるから、美人局的なものなのかもって気もしてくるんですけど、じゃあ0・1%の本当は何なのかと思ったら、「確かに彼の電話番号は聞きましたが、それは私が得意な”電話番号占い”をするためです」とのこと。……え~と、それって合コンとかで気になる相手の電話番号を聞き出す裏技?

 そして、今回の騒動でボクが思い出したのが、酒井政利VSデヴィ夫人のバトルだったってわけです。デヴィ夫人の著書『ちょっと一言よろしいかしら?』(00年/冬青社)に対して、酒井政利が「これだけ人を不快にさせる本は良くない」「人の話題にありついて芸能界にパラサイト(寄生)している」と批判したり、デヴィ夫人が「あの方こそ芸能界のパラサイト、寄生虫」と反論したりのやり取りで当時のワイドショーを騒がせたのは皆さん覚えていると思うんですけど、実はそれだけじゃなかったんですよ。

 同年、デヴィ夫人は『デヴィの「ここまで言ってよろしいかしら」』(00年/あ・うん)で酒井政利を徹底攻撃! アニメ『エルマーの冒険』で「酒井さんはその製作プロダクションに最低500万円(噂では1000万円?)のキックバックを要求した」という寄生虫エピソードを暴露したかと思えば、「あなたはホモの噂を否定していますが、なぜでしょうか?」「あなたが『新宿二丁目でカツラをかぶって、若い男性と手をつないで歩いていた』なんて、こっけいで吹き出しそうな話まで入ってきました」とガチを仕掛ける始末。

 最後は「振り返ってみますと、あなたが一時、美川憲一さんに金魚のフンの如くくっついて、美川さんの番組にお出になっていたことがありましたわ。美川さんを中心に、酒井さんと神田うのさんがいらした。そこに私が突如割り込んできた――と錯覚なさったのでしょうね。それが例の”パラサイト発言”の伏線のような気がします」「酒井さん、人を批判する前に、もう少しお調べになってからモノを言われてはいかが? ホモ特有のジェラシーむき出しは困ります」とまとめたりで、デヴィ夫人が「ここまで言ってよろしいかしら」と判断するレベルは明らかに普通じゃなかったってわけです。絶対によろしくないよ、それ!

Written by 吉田豪

Photo by  デヴィの「ここまで言ってよろしいかしら」

デヴィの「ここまで言ってよろしいかしら」

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