バラエティ復帰の古舘伊知郎がアノ昭和アイドルから引き出した意味深な言葉|ほぼ週刊吉田豪

 古舘伊知郎バラエティ復帰を記念して、日本テレビ系列で87年から94年まで放送された『オシャレ30・30』(89年/日本テレビ)の番組本を読み直してみました。これは30代の司会者(古舘伊知郎は放送当時、32歳~39歳)が30代のゲスト(29歳や40歳ならセーフという謎のルール)と語り合う30分番組だったんですけど、87年9月に桜田淳子をゲストに迎えた回が「人の結婚式とか出るでしょ。そうすると、帰り際、さびしいって思ったりもするんですよ」という見出しも含めて、いま読むとかなり味わい深かったので紹介したい。

 古舘伊知郎から「そろそろ30歳ですから、あるんじゃないですか、いろいろと…」と恋愛話を振られても「いえいえ」とスカし、「なんか、その方面のことには触れら れたくないような雰囲気ですね」(古舘)「私、ずっと昔から秘密主義なんです」(桜田)って感じで番組を盛り上げる気を一切感じさせない彼女。しかし、突然こんなことを言い出すわけです。

「2~3年後ぐらいには、お見合いもいいかな、と。人からの紹介とか…」(桜田)

 ……他の芸能人ならともかく、桜田淳子がこれを言うと意味が全然違ってくるよ!

 このまるで伏線みたいな発言は、「そういう人にかぎって、コロッと恋愛結婚しますよ」(古舘)「いや、私、そういう結婚はしないような気がする」(桜田)「というわけで、テレビをご覧のみなさん、今日は、桜田淳子さんの恋の話を聞こうと思いましたが、完全に不発に終わりました」(古舘)というやり取りで終了。

 この とき桜田淳子は29歳。その5年後、彼女は統一教会の合同結婚式に参加。「未婚の男女が文鮮明に写真を送り、『マッチング』をしてもらった後、統一教会/統一協会本部から『相対者』(婚約者のこと)となった相手の写真が送られて来て『約婚式』が行なわれる」(Wikipediaより)という、かなりハードコアな「人からの紹介」による「お見合い」みたいな結婚をすることになる、と。このエピソード、かなりのツボでした(統一教会ギャグ)。

Written by 吉田豪

Photo by  喋らなければ負けだよ

喋らなければ負けだよ

1987年の古舘伊知郎。