「相撲ジャーナリスト」っていう得体のしれない人たちは一体何なんですか?|岡本タブー郎・連載『ざわざわさせてやんよ!』第二回

テレビを見ている人は、お願いしますから賢くなってくださいね。一連の日馬富士暴力報道において、なぜにこんなおかしなことがまかり通るのか私は不思議でなりません。あなたの肉親が上司や先輩から医者に行くほど殴られたらどうしますか? まず警察に行きませんか? そりゃあ所属している団体によっては「手打ちを」と言ってくるバカもいるでしょう。それに乗ってしまうアホもいるでしょう。しかし、そんな人たちは少数ですよ。真っ当な神経をしていたら「ふざけんな!」と言って警察へ行くでしょうに。手打ちは麺だけで十分ですよ。

それを昨夜のNスタ(TBS)ではこう言っていたんですよ。「なぜ貴乃花親方は”まず”協会に届け出ずに、警察に行ってしまったんでしょうねえ」と。これだけ聞けばマスコミも相撲協会も、どれだけ世間から感覚が乖離しているかお分かり頂けると思います。暗に「殴られたぐらいで騒ぎやがって。手打ちすりゃあいいだろうに」と言っているんですよ。テレビってどうしようもないですよね。そりゃあ伊勢ヶ濱親方も「おんなじ質問すんじゃねーよ」と怒りますよ。ただ、この番組の名誉のために言っておきますがメイン司会の男性アナウンサーは「被害者がここまで叩かれるっておかしくないですか?」とは言っていました。

相撲協会ならびに危機管理委員会というのは単なる子供の集まりです。それはもう私が言うまでもなくみなさんがお気付きになっていることだと思います。私がここで言いたいのはマスコミですよ。本当に、どーーーーしようもない人たちだと思います。

諸悪の根源は、「記者クラブ制度」です。今回もたくさん出てきたじゃないですか、相撲記者クラブ会友とかナントカ言う肩書きのジイさん。中には偉そうに「相撲ジャーナリスト」と名乗る奴もいました。何なんですか? 相撲ジャーナリストって? 日本語として破綻していませんか?

この記者クラブに所属している者にしか報道させない教えないという制度、一体日本はいつまで続けるつもりなんでしょうか。協会からニュースを貰おうと乞食のようにぶら下がっている限り、そこにジャーナリズムなんて発生しないじゃないですか。言ってること、やってることが、正気の沙汰とは思えません。それなのに大きな顔をしてテレビに出てきて「貴乃花親方はいかがなものか」と、相撲を取ったこともないような小柄な身体でお前は何を言っているんだ? と思います。思いませんか?

そして、私が最もイライラするのが『街の声』です。

これ、相撲に限らず、どんなニュースでも必ずやるんですよ。街頭で歩いている人に「このニュースどう思います?」ってやつです。これ、なーーーんなんですか!? あの街頭インタビューに何の意味があるんですか? 山は死にますか? 川は死にますか? 教えてください!
今回の相撲のニュースでも案の定「貴乃花に真実を語ってほしいね」「日馬富士はいい人だった」という一般人の声を取ってきているんです。街の人が言ってることはですね「テレビで報道されてること」なんですよ。情弱のおじさん・おばさんにマイクを向けて、自分たちが報道している内容を喋らせているだけなんですよ。これがみなさんご存知「マッチポンプ」って奴ですよ!

サッカー日本代表の試合前にスポーツバーでチャラチャラしたサッカーファンにマイクを向け、
「2-1で日本が勝ちます!」
「本田が必ず決めます! ヒュ〜〜〜!」
というコメントを必ず入れます。

知らんわっボケ!
なんでお前の予想聞かなあかんのじゃ!

新型iPhoneが発売されると聞くやいなや、オフィス街のサラリーマンにマイクを向け、
「次はきっと6Kフォトに対応すると思いますね」
「発売日には並ぶつもりです! ヒュ〜〜〜!」
というコメントを必ず入れます。

知らんわっボケ!
はよ、35年ローンで郊外に買ったマッチ箱みたいな家に帰って寝ろ!

これが報道なんでしょうか。
素人の意見を聞かなくちゃいけないんでしょうか。
少なくとも私は専門家の意見が聞きたいのです。
前出の相撲記者クラブ会友ってのは相撲の素人じゃないですか。

好き、と、専門家は似て非なるものですよ。

文◎岡本タブー郎(BLACKザ・タブー)