ユーチューバーは毎日恐怖に怯えている……!|『絶対にユーチューバーなんかになるな!』 シバター 連載第二回
どーもー! 日本一バッド評価が多いユーチューバー、シバターです。
前回(第一回)はユーチューバーとは何か? 意外と大変なユーチューバーの生活について説明しましたが、今回は”ユーチューバーが職業としていかに不安定か、いかに危険か”という事をお話ししようと思います。
◆突然やってくるアカウントBAN
ユーチューバーを仕事としてやっていて、よく聞かれる質問で、
「ユーチューブが無くなったらどうするの?」
「ユーチューバーとしていつまで生活できると思う?」
というものがあります。
よくもまあ、実際にユーチューバーをやってる人にその質問が出来るな。失礼にも程があるだろコイツ……そこら辺に歩いてるサラリーマンのおっさん捕まえて「貴方の会社、いつまで続くと思います?」って聞けるのかコノヤロー! と聞かれるたびにイラっとするのですが、折角なのでここで答えたいと思います。
“ユーチューバーは明日にも食えなくなる可能性があります”
さらに言うと
“私は突然ユーチューバーとしての生活が途絶えた事があります”
ユーチューバーはユーチューブにおいて自分のチャンネルを持っており、そこで毎日動画を配信しているのですが、このチャンネル、”急に運営から削除される”事があるのです。
テレビにおいて、なんの前触れもなくフジテレビが放送しなくなる、なんて事はあり得ません。しかしユーチューブにおいてチャンネルが無くなる事は珍しい事ではないのです。
ユーチューブには現在、無数のチャンネルがあり、毎日増え続けているのですが、中には映画やテレビ番組を違法アップロードして、そこにつく広告収入をかすめ取ろうとするチャンネルがあります。
ユーチューブの運営はユーチューブ上にある動画を、独自のアルゴリズムによって判別・判定する自動システムと、視聴者からの通報を使った手動システムにより、日々違法なチャンネルを削除しています。
「じゃあ、違法なコンテンツをアップしなければ良いのでは?」
と思う方もいると思いますが、ユーチューブでは”何の違法性もないチャンネルも急に削除される”事があります!
◆チャンネルを削除されたらほぼ復旧できない
これは膨大に増え続ける違法チャンネルに対して、ユーチューブが取っている対処法なのですが、先に書いた自動システムによるものです。
ユーチューブでは、”ユーチューブ上に全く同じ動画を2つアップさせないために、全く同じ動画がアップされたら削除する” ”登録されている音楽がユーチューブ上の動画に使われていたら、その部分を無音にさせる”といった自動システムがいくつもあります。
その自動システムの誤動作により、何の違法性もないチャンネルが削除される事があるのです。
私は、約5年前に会社を辞め、ユーチューバーを専業にした矢先にチャンネルが削除されたことがありました。
勿論、異議申し立て(そういうボタンがある)をしましたが、削除されたチャンネルは戻ることなく、また新たにチャンネルを作り直すこととなりました。
勿論、削除された直後は動画による広告収入もほとんどなく、それからしばらくの間、金銭的にかなり厳しい生活が続きました。
それから現在に至るまで、何度もチャンネルが削除されています。その度に東京にあるユーチューブの本社に乗り込んだり、つてを使って復旧をしているのですが、ユーチューブは誤作動でチャンネルが停止されていた期間の収入の補償は勿論してくれません。
小規模なチャンネルは復旧をしてくれない事も多々あり、それをきっかけにユーチューバーを廃業する人も少なくありません。
ユーチューバーは毎日ユーチューブの自動BANシステムの恐怖と戦いながら動画を投稿しています。
こんなに安定しない、廃業と隣り合わせの仕事は他にないと思います。
ユーチューブのプラットフォームとしての寿命、また自分のコンテンツとしての寿命はまた別の話です。
コンテンツの寿命、視聴者の”飽き”との戦いの話はまた次回にしたいと思います。
文◎シバター