ミニストップに続き、セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートも成人誌不扱いに|岡本タブー郎
そこから時代は進み、私が2018年に聞いたのは「もう3割売れたら健闘ってところですね」というところまで来ていました。たったの3年で。
入荷した商品が7割返品されるものを、みなさん、会社が放って置くと思いますか? これがあなたの職場でしたら「何とかせにゃいかんよ、これ」となりませんかね?
ですからコンビニとしては雑誌全体を無くすためのまず第一手として「エロ本を排除しよう」ということになったんだと思います。エロ本は社会の害悪です。そうは言いながらも儲けが出て旨味もあったので、コンビニと取次と出版社は癒着していましたが、もう彼らがつるむ必要がなくなるほど、ビジネスの体をなしていないのです。
未来のコンビニは、雑誌コーナーのないレイアウトを実験していて、そろそろそれが実施される時が来ると以前も書きましたが、今後はその動きが加速していくだけです。現に、そういうコンビニはどんどん生まれていますから。
「エロというカルチャーを潰す気だ!」
と今さら騒いでいる人が散見されますが、少し冷静になって頂きたいものです。コンビニはエロを潰したいわけではなく、雑誌全てを無くしたいんです。一部の売れる雑誌だけをエンド(陳列棚の端)にでも配置しておけば邪魔にならないし、これからAI化して行くので雑誌の陳列にあまり人件費をかけたくない。でかくて、重くて、売れないものはどんどん排除の方向に行くわけですよ。
余談ですが、コンビニにはプライベート商品というものがありますよね。実はこれ雑誌にもあるんですよ。私も「セブンイレブン限定の雑誌を作ってくれ」とか「ファミマだけで販売するコミックを作ってくれ」という話に何度か乗ったことがあります。当時はそれだけコンビニも雑誌に対して目をかけてくれていたんですが、もはや成人誌とこういう契約を交わすことは皆無なのではないでしょうか。
出版社にとって、今の時代コンビニで販売できないことは甚大な被害を想定できます。特に、他のコンビニが束になっても勝てないほどセブンイレブンの雑誌の売上は高いですから、そこが不扱いとなれば一体何社が死ぬのか、考えただけでも鳥肌が立ちます。
しかし、何度も危機を乗り越えてきたエロ本業界です。きっと次の一手を打っていることでしょう。そこに期待したいと思います。(文◎岡本タブー郎)