沙也加さんの不幸を乗り越えて 「永遠のアイドル」松田聖子が魅せたプロ根性にファンも涙
6月11日(土曜)に松田聖子のコンサートに行ってきた。
未解決事件やウイグル、エアフォースワンなど、このところ僕が手がけたものと、テーマがかけ離れている。そのため、戸惑われた方もおられるかもしれない。でも僕にとって、この日のコンサートは、同じぐらい好奇心をかられる対象であった。
報道で広く知られているとおり、松田聖子は一人娘の沙也加(享年35)を昨年末に亡くしている。離婚以来初めて神田正輝と二人揃って、気丈にも取材に応じたのを最後に姿を消した。年内に各地で行われる予定だったディナーショーはすべて中止。毎年出場していた紅白歌合戦も出演を取り止めた。
その日のコンサートは、沙也加の死後、はじめてのホール公演。死後まもなく、取材に応じるほどの、芸能人としての覚悟を持つ聖子なのだ。コンサートの場では、ファンに向けて、またマスコミへ向けて、沙也加の死について、何らかの表明があるのではないか。その瞬間をコアなファンとともに見届けたい。そんな期待から、松田聖子のコンサートのチケットを購入したのだった。
開演40分前。さいたまスーパーアリーナの入口近くには、還暦前後と思しき男女で混み合っていた。男女の比率は3対7ほど。背中に松田聖子と刺繍がされている学ランを着た親衛隊の人が集まっていたり、ぶりっ子と言われた40年あまり前の松田聖子の格好そのままの女性たちがいたりと実に気合いが入っている。皆さんの格好に時の経過の残酷さを思うとともに、ずっと応援し続けてきたファン一人ひとりの人生というものに思いを馳せて、開演前から僕は胸を熱くしていた。