【RIZIN男祭り】直前 通り一遍の勝敗予想は要らない

4日に迫ったRIZIN男祭り・東京ドーム開催。これまでPRIDE、RIZINと約20年間のうち、東京ドーム開催は恐らく10回くらいのはずです。ゴールデンウィークの真っただ中に東京ドームを格闘技で埋めるというのは、株式会社東京ドームも「これならいける」と踏んでの契約だったのでしょう。本来、世界的アーティストや国内で数少ないアーティストやアイドルしか開催できない事を考えるとRIZINの盛り上がりは、「本物」と言えるかもしれません。
そして、RIZIN公式YouTubeでも、それ以外でも現役格闘家や元格闘家が戦前予想をしています。これは大きな大会の前の恒例行事と言えるでしょう。
その中で、ずーっっと気になっていたのが格闘家の方々(僕は一般会員としてあらゆるプロの格闘家は全て敬意を払っていますが)の戦前予想が、忖度あるいは無難に過ぎるなあ、という事です。
例えば前回の2024年7月28日開催、朝倉未来選手vs平本蓮選手の超RIZIN3の予想は7割がた朝倉選手予想をプロの方たちがしていました。素人ながら果たしてそうかなと思っていました。平本選手のストライキング能力を甘く見ていないか。進捗状況を甘く見ていないか。何より、ストライカー同士の戦いとは言え、平本選手の距離感が前回の斉藤裕選手で垣間見せたように、MMAの距離感に適応していないか。そして、打ち合いになった場合、K-1時代から平本選手が完全に打ち負けた試合というのは(佐々木大蔵選手は両選手ともフラフラでしたが)見た事がない。
MMA選手のストライキングはフック中心のブン回し系が多い中、平本選手のマシンガンのように打つストレートは距離的に朝倉選手のパンチより先に当たるのではないか。よって、平本選手有利と思っていました。平本選手勝利予想をした選手は記憶の限りではムエタイの至宝・吉成名高選手、現役UFC中村倫也選手、元RIZINファイター石渡伸太郎さん他くらいでした。
朝倉選手予想をした選手たちは、テイクダウンでそのまま判定という「無難」なものでした。それは一ファンでも出来る予想です。
そして、今回の男祭りでも同じような状況が見られます。僕らは、プロならではの予想・解説が聞きたいのです。例えば、野球(NPB)だと阪神タイガース藤川球児監督が解説をしていたところ、次の展開をピタリと当てていたのが、神ががっていました。
格闘技の予想は大体、同じです。キックからMMAに転向した選手の予想は大方、「負け」になります。しかしイスラエル・アデサンア(元UFCライト級王者)はキックからMMAに転向後、初勝利を飾っています。またムエタイ・キック出身のUFC女子フライ級王者ヴァレンティ―ナ「THE BALLET」・シェフチェンコ選手はUFCデビュー戦で勝利しています。
「キック出身の選手のデビュー戦はMMAルールでは負けにしておこう」的な予想は、食傷気味です。
プロならではの、僕ら一般会員、一般ファンが「なるほど」とうなずかせるようなNPBの藤川球児監督のような神予想・神解説を聞きたいものです。今のところ、一番神解説に近いのは高坂剛さんだと思います。僕らは試合はもちろん解説もリングアナのコールも入場曲も入場シーンも含めてお金を払って、格闘技という「ハレ」を満喫するのです。4日の男祭りはそれを含めて楽しもうではありませんか。(文・写真@久田将義)
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