現実と虚構が交錯する映画「ストーリーテラー」完成 久我未来、主演とプロデュースで描く〝2つの世界〟

新境地を開く俳優・久我未来
短編映画「ストーリーテラー」完成

自分が生きている世界は現実なのか、それとも誰かが書いた物語なのか。そんな問いを投げかける短編映画「ストーリーテラー」が完成した。企画・プロデュースと出演を担った俳優・久我未来が、11月28日に東京・渋谷の「光塾 COMMON CONTACT 並木町」で上映会を開く。

監督・制作は内藤慈氏。自主制作ではあるが、久我とは3作目のタッグだ。撮影から3年を経てのお披露目に、久我は告知文で「ついに!」「やっと!!」「ようやく!!!!」と、待ちわびた思いをつづった。

物語の舞台は、海を望む一軒家。脚本家の千晶がパソコンに向かっていると、帰宅した夫が些細なことで暴力を振るう。しかし、それは千晶が夫に語っていた、執筆中のVシネマの一場面。現実の夫婦は、むしろ仲むつまじく見える。

ところが、シナリオの中で暴力を受けるチアキの目に、同じ場所で執筆を続ける「もう一人の自分」が映り込む。穏やかな日常と暴力にさらされる世界。現実と虚構、2つの世界が絡み合っていく。

「今、認識している世界は現実かシナリオなのか?」という一文が、作品を貫く問いを端的に示しているだろう。

久我未来(くが・みく)は、1980年4月10日生まれ。10歳で劇団若草に入り、1991年の「鳥人戦隊ジェットマン」でデビュー。敵幹部の少年・トラン役を演じた。NHK大河ドラマ「花の乱」では足利義勝役、「3年B組金八先生」第4シリーズでは高畑優役を務めるなど、子役時代からキャリアを重ねてきた。

映画では「GTO」「リリイ・シュシュのすべて」「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」「花とアリス」などに出演。アニメ映画「耳をすませば」には声で参加した。俳優業に加え、バンドでの音楽活動も経験。本作では出演だけでなく企画・プロデュースも担い、物語を生み出す側として作品に向き合っている。

W主演の平井早紀は映画「飢えたライオン」でデビューし、俳優として活動する一方、自身のYouTubeチャンネルで配信も行っている。

今回の上映会では、主演の2人も来場者とともに初めて完成版を鑑賞する。上映後のトークコーナーでは、初鑑賞を果たしたばかりのキャスト陣から、リアルな感想やここでしか聞けない撮影裏話が語られる予定だ。

久我は「ご来場の皆様と同じ時間に観るからこそ感じられること、上映後にお話させていただければ幸いです」と呼びかける。作品を送り出す側と受け取る側が、初鑑賞の時間を共有する場となりそうだ。

上映は午後3時と同4時30分の2回。開場は各回の上映20分前。料金800円。会場は東京都渋谷区渋谷3―27―15、光和ビル地下1階。

あなたのストーリーを描くのは誰なのか。その問いを、スクリーンの向こうに実感してほしい。(文・写真提供@霜月潤一郎)