あのベストセラー作家が地元関西で悪評だらけのワケ「あのハゲは薄情モンや」

 多くのヒット作を世に送り出すベストセラー作家として、SMAPとも共演を果たし、いまや国民的小説家となったH。多くの人がご存知のように、もともとは関西を拠点に活動していた構成作家の一人だった。そんなHがなにを思ったか、突然やや右寄りな小説を書き上げて出版したのが2006年。後に数百万部を売り上げ映画化もされたこの処女作は、当初売れ行き不調で大苦戦をしていた。同じく関西を拠点にするテレビ局関係者が証言する。

「そこでHは、テレビ業界で築き上げた多種多様な人脈を生かし、小説の宣伝に走り回ったんです。まさに宣伝だけが命と言わんばかりの行動力でした」

 なかでも、ゲラの段階で執拗に原稿を読むように頼まれ、出版後もたびたび宣伝のお願いをされたと語る別の放送作家はつぎのように語る。

「『先生、ちょっと読んでください!』言われてゲラを渡されてね。個人的な好みはともかく、内容はわかりやすいんで売れると思いました。せやからH本人にもそのことを伝えたら、えらい喜んでましたな。Hは頭がキレるほうなんで、本を出す出版社があまり小説に強い会社やないから、自分の人脈を駆使して本を売ることを思い付いたらしく、関西の文化人やらタレントやらに、本の宣伝をお願いしまくっていた。ワシもラジオで何度か紹介したし、知り合いの芸人にもお願いしました」

 そんな人脈をフル活用する作戦が功を奏したのか徐々に作品の口コミは広がり、最終的には数百万部を売り上げる大ヒットへ。その後、Hが発表する作品はつぎつぎとヒットを重ね、関西のみならず全国規模の人気を博し、今ではNHK経営委員に名を連ねるほど存在となったのはご存じの通り。だが、その知名度の広がりとは裏腹に、地元関西での評判は日に日に悪くなっているようだ。前出の放送作家が続ける。

Hは自分自身の力で成し遂げたと言うかもしれませんが、処女作の大ヒットは地元関西の放送関係者の力が大きかった。それなのに、自分が出世した途端、関西の昔からの関係者には冷たい態度が目立つ。多少の無理なお願いを聞いてくれてもええはずなのに、Hはこれまで一度もワシらのお願いを聞いてくれたことがない。そんなときのHの言い訳は『時間がありませんねん!』の一辺倒です。もう、あの薄情なハゲにはもう誰も協力せんのと違いますかね」

 手のひらを返したようなHの態度に腹を立てている関西の大物関係者は数多くいるという。当初はHのことを「人気モン」と呼び応援していた彼らも、いまや「薄情モン」と呼び捨てする状況とか。まさに地元での信用は永遠にゼロといったところだろうか。

Written by 村上茜丸

Photo by Thomas Leuthard

京都人は日本一薄情か 落第小僧の京都案内

京都人ちゃうけど。