AKB48「最後の神7」渡辺麻友卒業ライブ 泣かなくなった彼女が涙した日

 人には、そしてアイドルには輝く時期が必ずあると思っている。AKB48は現在も他のアイドルとは一線を画した人気を誇っているとは言え、最も輝いていた時期は「神7」と呼ばれたメンバーが選抜にいた時代だろう。あの勢いは、何人ものアイドルが各時代をかけていった中、人々の記憶に残ったに違いない。  

 上位から前田敦子、大島優子、篠田麻里子、高橋みなみ、渡辺麻友、板野友美、小嶋陽菜(選挙によって入れ替えあり)。  

 このメンバーを「神7」と言い、それ以降の時代は上位7位というい言い方をする人も多い。渡辺麻友は当時、このメンバーでは最年少。ツインテールで「次世代エース」「アイドルサイボーグ」と呼ばれていた。現在、絶対一位の指原莉乃がまだ緑のジャージを着て、選抜に入るか入らないかの時期である。  

 総選挙というある意味、酷なシステムを取り入れ、そのシステムに何人ものメンバーがガチ泣きした。渡辺麻友も例に漏れず、第二回総選挙では号泣。雨の味の素スタジアムで客が寒さに震えながら見守った第六回総選挙で次世代一位からようやく、名実の一位の席に座る。  

 その頃から渡辺麻友は泣かなくなっていった。大人になったとも言える。「起こして見せますCGレボリューション」と泣きじゃくっていた人は別人のような成長ぶりだった。  

 AKBの歴史は逆説的に言えばスキャンダルの歴史と言っても良い。スキャンダルが話題になり、それがまた思わぬドラマを呼んだ。しかし、それを苦々しく思うファン(ヲタ)もいた。  

 そして、スキャンダルとは最も遠い道を歩んできたのが正統派渡辺麻友だった。スキャンダルを嫌うヲタには絶大な信頼があった。  

 10月31日、さいたまスーパーアリーナに立った渡辺麻友の最初の曲。ソロで歌った「初日」。AKB48ファンにとって、MIXが最もやりやすい曲とされている。思わず、涙ぐんで生歌で声がつまった渡辺麻友だが、その後選抜と旧チームBのメンバーが加わり、元気づけられたかのような、パフォーマンスを繰り広げていった。  

 AKBが最も勢いがあった時代の「神7」の最後のメンバーが旅立っていった。この日はAKBグループにとって本当の「新生AKB48」になるだろう。  

 女優業の道に進むのだろうが、イラストやアニメに精通している渡辺麻友がその多才ぶりをどのような形で発揮するのかが注目だ。(編集部) 

Photo by AKB48 渡辺麻友 カレンダー 2015年 カレンダー