18世紀に中国から日本へ伝わってきた常緑低木であるキョウチクトウ(夾竹桃)をご存知ですか?
6〜9月頃に赤や白、ピンクや黄色の可憐な花を咲かせるこの木は、排気ガスなど公害などに強い頑丈な植物であるため、よく高速道路や公園、公道などに植えられています。1945年に広島に原爆が落ちた後、最初に花を咲かせたのがキョウチクトウだったので"復興のシンボル"とされたりもしていました。
しかしキョウチクトウ、実はかなり毒性が強い植物。花や果実、葉に加えて枝も根っこも周辺の土壌にも、すべて毒性があり、体内に入ると最悪、死に至ると言われています。
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そんなキョウチクトウが新宿区の"富久さくら公園"に普通に生えている、という情報が写真とともに編集部に寄せられたのは3月下旬のこと。見ると、木のそばに「キョウチクトウ」という説明の看板も立てられており、新宿区がセレクトしたことは間違いなさそう。
苦情を寄せていただいた公園に行ってみました
「このまま生えてても大丈夫なのかな?」ということもあり、新宿区のみどり公園課に問い合わせしてみました。
対応してくださった職員の方にキョウチクトウの毒性を新宿区が把握しているかどうか質問したところ、「当時の富久さくら公園を作ったのが、今、公園を管轄してるのが東部公園事務所なんですね。その時に、そこまで(毒性を)把握してたかどうか、っていうのはちょっと分からないんですけども」とのこと。またキョウチクトウの毒性への苦情というのは現時点では来ていないとのことでした。
そして、今回のTABLO編集部からの「キョウチクトウには毒性があって危ないのでは」という指摘に関しての対応は、こういった電話があったということを公園の管理をしている東部公園事務所に伝えておく、とのこと。
う〜ん、あえてコレでなくても...
しかし、その後にキョウチクトウに対し、どういった対応をとるかということに関しては「具体的にどういうことをするのかということは、現時点では申し上げられません」とのことでした。
また職員の方は「(毒性を)把握していたかどうかということは分からないんですけども、(公園を)作るにあたって、検討はされたんじゃないかと思うんですが。(木を)舐めることまでは想定はしてないと思いますので」「背が高いじゃないですか、キョウチクトウって。だからそれは、そういう(舐める)ことをされるっていうことは想定してないですね」とも仰っていました。
新宿区の東部公園事務所にも問い合わせた
その後、対応してくださった職員さんに、苦情が来ているかどうかに関しては新宿区の東部公園事務所に確かめてみたらいいと勧めていただいたので、今度はそちらにお話を聞いてみることに。
対応してくださった事務所の方にキョウチクトウが危ないという報告が編集部に寄せられた旨を話し、こういった苦情は初耳かと質問したところ「やっぱり(毒性を)心配される方はいらっしゃいますね」とのこと。しかし、キョウチクトウをかじるなどといった現実的でない行為を心配して、人体に危ないと一般的に言われているような植物を片っ端から処分するなどの判断を早急にしてしまうのは「なかなか厳しいものがある」とのお答えでした。
とは言いつつ「(キョウチクトウは)たしかに毒性が強いんで、アレルギーを持っているお子さんがあれば、そのへんはちょっと危険ということも考えられます」とも仰っており、「あまりにも(キョウチクトウが)多くなりすぎるようであれば、うちのほうで剪定かけて小さくすることができますんで。だからそのへんは微妙なところ...。だから皆さんが非常に危ないということで、ちょっとでも子どもがかじると危険だからってことであれば。そういう声が上がるんであれば、私どもでも伐採とかそういうのも考えざるを得ない」とも仰っており、普段からキョウチクトウが大きくなりすぎないように、常に気をつけてはいるとの回答を頂きました。
みどり公園課、東部公園事務所ともに、かなり丁寧に応対していただき誠にありがとうございました。
札もしっかりと貼ってありました
キョウチクトウは暑い時期に長い間、キレイな花を咲かせるとして全国的に人気のある植物であるというのはよく分かったのですが...。う〜ん、それでも万が一のリスクを考えると、他の植物に差し替えたほうが安心なのかな、と個人的には思ったりもしました。(取材・文◎小池ロンポワン)